My Way 紅い月


「みゆちゃん危ない!」

ユエが言い、あたしの前に出る

ざっガッッ

銀色のナイトモスが、次々と倒れる

「ありがと、ユエ」

かすり傷を負ったユエに、マイナーヒールを唱える

「ううん、平気」

そう呟くとレイレンに群がっているナイトモスの方へ行く

レイレンも、ファイアビットをうっているが、数が追いつかないようだ

ユエが片手で振るう大きなシーカーは、大量のモスを倒していった

「俺より、向こうへ」

そう言い、レイレンはワンと淕の元へ行く

2人から少し離れた位置で、魔法をうつ

ユエも、2人の逆方向からナイトモスを刺す

あたしも、2人の回復を続ける

大量のナイトモスが、倒れていく



「あー・・・・・・痛ぇ」

傷だらけになった、淕とワンにマイナーヒールをかける

「あ、魅悠、ユエ、これ拾ったんだが」

ワンの手に握られているのは、ピンクのピエロ帽子

「ジャグルヘダー?」

ユエが受け取り、見る

「あぁ、せっかくだから売らずに使ったらどうだ?」

「う〜ん・・・・・・ボクには似合わんだろーなぁ」

とユエは言って、イキナリあたしに被せる

「え?」

「かわいい」

そう言って、笑うユエ

「そー?」

「似合う似合う」

ぽんっと、頭を叩くレイレン

「あはは、ありがとう」

あたしも満面の笑みで答えた



「ドラスの帽子が欲しい」

ポソっと呟くユエ

「あれって300万ぐらいしないか?」

顔を引きつらせて言うレイレン

「まだ無理だろ」

笑って言う淕

「さ、早くスオミへ行こう」

ワンが立ち上がり、ニヤリと笑う


まだあたしたちは始まったばかりなのだ



進むあたしたちの前の敵は、どんどんスオミのモンスターらしくなってきている

ポンと呼ばれる水の生物が増えてきた

兜を被ったチェストポン、剣を持ったポンナイト、それに槍を持ったポポ・・・・・・

どんどん強い敵になってくる

けど、あたしは恐くなかった

淕、ワン、ユエは戦うに連れてどんどん強くなっていく

あたしもレイレンも暇があれば魔道書を読み、魔法を覚えていった

あたしはやっと、クレリックシールド、ヒールを覚えた

クレリックシールドの魔道書はあったけど、

ヒールの方はレイレンに色々教えてもらいながら、自分で組み立てていった

本当の天才は、レイレンみたいなのを言うんだろうな・・・・・・





「敵、強いな」

深いため息とともに、ワンが呟いた

「もー夜だねー」

寄ってくるポンゼキをたたきながら言うユエ

「此処で野宿は危ないな」

あたしたちに気づいていないだけで、ポンたちはたくさん居る

「スオミダンジョン前なら、どうにかなるだろ」

ポンナイトにローリングストーンを唱えながら言うレイレン

「スオダンか・・・・・・」

嫌そうな顔をして言う淕

「まだ結構あるな」

「仕方ないだろ?」

苦笑するワン

「頑張ろうかっ!」

あたしは笑って、淕の顔を覗き込む

「ああ」

淕もニヤリと笑う



「急ごう」

ワンが先頭を歩く

どんどん、水が増える

「お?モスか?」

銀色に光るモスたち

ナイトモスより、一回り大きい

「モスキャプテンも居るな」

ワンが見たのは、ハンマーを持った大きいモス

「一匹か・・・・・・。ワン、俺は他の殺るからキャプ頼む」

「あぁ」

「ボクはみゆちゃんとレイレンを守るよ」

ユエが、あたしとレイレンの前へ出る



ワンは腰を落とし、剣を顔の横で水平に構える

淕は何も構えずに、ゆっくり敵へ向かう

「行くぞ」

ワンの低い声とともに、2人が駆ける


ピュッ

鮮やかな弧を描き、モスキャプテンの背後から斬り付ける

モスキャプテンも負けじと、ハンマーで応戦するがワンは弾き飛ばす

淕はワンを守るように、他のモスを倒す

「うらぁっっ!」

気合とともに、電光をまとった拳を振るう

ガッ

横から奇襲をかけてきた大きいモスを蹴り上げる

「うぜぇよ」

そう言い放ち、次々とモスを倒していく


ガギィンッ ガッ

ワンとモスキャプテンは戦いを続ける

「チッ」

舌打ちをし、一歩下がるワン

その一瞬を狙い、ハンマーがワンを襲う

「ハッ」

気合を吐き、下から上へ突き上げるように、剣を振るう

ぐぢぃ・・・・・・

装甲が柔らかい部分へ突き刺さる

「ふう」

ため息をひとつ、剣を振るう

突き刺さっていたモスキャプテンが、地面に叩きつけられる

ぐっ

そのモスキャプテンを踏みつけるワン

「まぁ、流石ってところかな」

言い放ち、力を込めて踏み潰していった



別に、あたしやレイレン、ユエが何もしてたわけじゃない

「あぁ、邪魔だな」

カマをもったモスがあたしたちに近づいてくる

狙いは・・・・・・あたし!?

一直線にあたしに向かって飛んでくる


「下がって!!」

ユエが大きな声で言う

あたしは出来るだけ早く、その場から下がる

ユエがシーカーを逆手に持ち、斬りつける

ガッ

固い装甲に阻まれて、刃が通らない

「ユエッ!」

レイレンが叫び、ファイアビットを唱える

ごばぁっ

ユエに斬りかかろうとしたモスが炎に包まれる

炎に包まれているモスに、ユエはシーカーを突き立てる

ガッ

「一瞬、ハラハラしたじゃん?」

炎で装甲が柔らかくなったせいか、シーカーは易々と入り込む

ぐちゃ

手首をひねり、えぐる

「ホント、世話かけさせないでよ」

モスを下へ払い落とし、冷たく見下ろすユエ


つ、強いな〜・・・・・・


「大丈夫か〜?」

ワンが戻ってくる、傷は少ないようだ

「痛ぇし」

小さい傷が無数に付いた淕は、あたしの傍に来る

「無理しちゃダメだよ」

淕にヒールを唱える。傷が次々と消えていく

「こっちは大丈夫だ」

レイレンがユエに着いたススを払い落としながら言う

「次が本番だな」

低い声で言う淕

「何が居るの?」

「ポンポン」

答えたのは、レイレンだった

「強いの?」

「ポン族では、一番強いんじゃないか?」

「ああ、モンスタースローを使う強敵だ」

眉をしかめ言うレイレン

「・・・・・・。」

黙るあたし

レイレンの声が、物凄く真面目だったから

「このメンバーだったら、大丈夫じゃない?」

気楽なユエ、その顔にはいつもの余裕の微笑み

「だな」

淕も、ニヤリと笑う



みんな頑張ってる分、あたしも頑張らなきゃ

空を見上げると、少し紅い月があたしたちを見ていた



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お久しぶりです、必死で戦闘シーンとか書きました・・・・・・

今考えたら、この話にレベルの概念が無いんですよね・・・・・・

一応

ワン=27   淕=25  ユエ=29  魅悠=23  レイレン=27

過酷な環境で育ってるユエが一番レベルが高いってトコです

このメンバでポンポンだったら返り討ちだったりして(汗