Will of Saga [
「スオミの魔術師らが不穏な動きをしている」
情報が入ったのは、日が沈もうとしているたそがれ時だった。
「これは真か?」
トール大将軍が、間違いである事を願いながら、そう言った。
「はっ!間違いありません…。」
盗賊の格好をした男が言った。
「むぅ…奴らの目的はつかめたのか?」
「はっ!奴らは、おそらく戦の準備をしているものと思われます」
(また戦争か…つくづく嫌になってくるな…。)
「わかった…さがっていいぞ」
「はっ!」
盗賊が部屋を出ると、将軍は独り言でこう言った。
「そろそろ、この国も終わりかな・・・・・・。」
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「ったくよ…そろそろ新しい仕事入って来てもいいのになぁ・・・・・・」
ヨハンが、ウイスキーボトル片手にそう言った。
「つーか、お前そろそろ何かしら職業につけよ」
酒に飲まれて、顔を真っ赤にしたレオンが言う。
「うるへぇーー!俺の職業は「傭兵」だ!」
「そんなこと言っているからこないんだよ…」
ニナが口をはさむ
「あ!おめーまでそういいやがって!」
彼らはここ最近…と言うより、
ヨハンがギルバート家に来てから、
週に二回ほど、こうやって宴会を開くのがお決まりになってきた。
「じゃ、俺達は帰る…。またな」
「じゃ〜ね〜」
「また今度、飲みましょう」
「じゃーね、ヨハン」
彼らはおのおのの家に帰っていった。
「さ、俺も寝るか…。」
一番騒いで一番飲んでいた男が呟いた
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翌朝
レオンは、大切なリーナとの時間を、仕事によって奪われた。
「まだ確実とは限らんが、一応準備はしておけ、他の連中にもそういってある」
トール将軍が二人に言った。
「また戦争になるのかもしれないのですね…。」
レオンが呟く
「俺は兵隊だ…行けといわれたらどこへでも行く…。」
もう一人の男、ロルフが言った。
「ただ、俺の仕事は人殺しじゃない…人の命を守る事だ…。」
「あぁ、わかっている…願わくば、この戦いが最後の争いの種であること…。」
ラグナロック隊隊長と連隊長、そして大将軍が、胸の前で十字を切った。
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珍しくリーナが王宮に呼ばれた。
「お呼びでしょうか?大僧正さま」
大僧正と呼ばれた男は齢70を超えているだろうか、白髪の老人であった。
「おお、リーナ、来てくれたか、今日はお前に頼みがある」
「はい」
「我が軍の諜報部から「スオミが不穏な動きを見せている」との情報が入った」
「!!」
「まだ、戦になるかはわからんのだが、トール将軍から
「戦の支度だけはしておけ」とのことじゃ…。」
「はい、それで私に頼みごととは?」
リーナはとても嫌な予感がした。
「何の事はない。王宮直属の聖職者の指示、お主にまかせようと思ってな。」
その予感は見事的中してしまった
「私が…ですか?」
「そうじゃ、ワシはもう年じゃし、他の聖職者たちは戦の経験がないからの。」
「はい、謹んでその命お受けいたします。」
「たのんだぞ、リーナ。」
リーナは深々と礼をして、部屋を出て行った…。
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役者がそろうまで後5人。
そして、その5人の中の二人が、とある民家の中にいた。
「また戦争ですか…。」
「また戦争〜!?」
「あぁ、そうらしいぞ…騎士団直属の諜報員の報告だ、俺らの報告なみに信頼性は高い」
ここはルアス城下町の武器屋地区の民家の中。
ここで今、王立ギルド「イエロードッグ」の隊員による会議が開かれていた。
「それでだ、トール将軍さまからの命なのだが、
「戦争になるかもしれないから準備して待っていろ」だとさ。」
「「「「「「「「「「「「「「「「ふーん」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
ギルドメンバー全員が、口をそろえて言う。
「まぁ、私たちは給料王国から貰っているんだからね〜仕方ないけどやるか〜」
「そうですね…」
これで役者が揃うまで後3人となった…。
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こんばんわ〜逆毛です
また戦争です…そろそろストーリ的にきつくなってきました…。
今回はスオミと戦争です…。
また新キャラを作るつもりなんですが…死キャラにならないようがんばります
あと、私的事情で更新がだいぶ遅れるかもしれないので…そこらへんは…。