Will of Saga U


民衆が寝静まった頃、王宮では「お偉いさん」が丸いテーブルを囲み、話をしていた。

「機会は今しかありませんぞ、将軍」

いかにも血に飢えた戦士といった感じの男が言った

「とはいえ今ここで戦争を始めたら民はどうなる!

   戦争に必要な経費は、彼らから出ているのだよ。

    これ以上、彼らの生活を苦しめるわけにはいかない。」

将軍と言われた男が、額にしわを作って反論した。

「ですが、これ以上彼らをのさばらせておくと、交通に支障をきたしかねませんよ

     そちらのほうが、民にとっては苦痛になるのでは?」

聖職者の法衣をまとった女が言った

「むぅ…」

将軍は黙り込んでしまった・・・・・・と、その時

「出兵には反対です、これ以上民を苦しませるわけにはいきません。

 ですが、彼らをのさばらせておくわけにもいきません。

  そこで提案なのですが・・・・・・ルケシオンの海賊団を雇いましょう!」 
  
魔術師の服を着た若い男が、よく響く声で言った。

「「「「「「「「「「「「「「ルケシオンの海賊団!!?」」」」」」」」」」」」」」」

その場にいた全員が、自分の耳を疑った。

「今、彼らは寄港しているのかね?」

「えぇ、私が昨日掴んだ情報ですから確かです。」

魔術師は、淡々と話を進めていった。

「彼らなら、イカルス周辺で暴れている海賊程度ならあっという間でしょう。」

「だが・・・・・・彼らがほんとうにやってくれるのかね?」

「彼らは金ではなく義で動く海賊ですから、大丈夫でしょう。」

「では、中佐の意見を採用する。」

ピルゲンが重々しく言い放った。

これにより、また新たな「戦争」が始まる事となった。

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「ふあぁぁぁぁ・・・・・・」

昨日盗賊を二人ミディアムにした男が、あくびを一つしてベットから起きた。

「ルアスの朝は早いな・・・・・・」

そんな事をぼやきながら、男は身支度を始めた。

身支度を終え、食堂に下りると朝食が用意してあった。

それを早々と食べ終わると、男は部屋へと戻っていった。

数分後、旅支度を整えた男が宿屋の外にいた。

相変わらずルアスの町は休むことなく人を送り出している。

「さ、仕事でも探すか…。」

男はぼやきながら広場へと足を運んだ。

ルアス広場、マイソシア大陸でもっとも人が集まる所と言っても過言ではない。

そこで男は仕事探しを始めた。

「腕のいい魔術師、貸し出します、1日1万グロット どんな仕事でも引き受けます」

と書かれた看板を立て、男は昼寝を始めた・・・・・・

「腕のいい魔術師だとさ、どこまでほんとなのやら。」

「1日一万?うぬぼれてんじゃねーのか?」

あちこちで彼に対する文句がおこった。

「そこのカッコイイ魔術師さん、仕事頼めますか?」

魔術師の格好をした男が声を掛けた。

「ん?」

男は体を起こし、客の方へ目をやった・・・・・・そして、自分の目を疑った。

「お前・・・・・・レオンか?」

レオンと呼ばれた男は言い返した。

「やっぱりヨハンだ!!!!!」

ヨハンと呼ばれた男と、レオンと呼ばれた男は抱き合った。

久しぶりの再会を祝って。

「今晩は家に泊まれよ。」

「お前が嫌がってもそのつもりだったがな。」

「お前、前より心が黒ずんできたな…。」

そういわれると、ヨハンは苦笑するしかなかった。

「じゃ今日の晩に俺の家にきてくれ、俺は仕事があるからここらで。」

「あぁ、またあとでな!」

そう言うと、レオンは王宮の方へ歩いて行った。

(ったく…相変わらずだな)

そんな事を思いながら、また彼は昼寝を始めた…。

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その日の晩、ギルバート家に久しぶりに人が集まった。

ルアス魔術特別遊撃部隊「ラグナロック隊」隊長 レオン・ギルバート中佐

ルアス王宮近衛聖職者             リーナ・A・ギルバート

王立ギルド「イエロードッグ」隊員       エリー・シュタナー

同じく王立ギルド「イエロードッグ」隊員    サラ・ローゼンバーグ

ルアス軍第12連隊通称「沈黙連隊」連隊長    ロルフ・マイヤー大佐

スオミ町から出てきた傭兵もどきの       ヨハン・ヴァーミリオン

「実に7年ぶりだな」

「おひさ〜ヨハン!元気にしてたかぁ?」

「7年ぶりですね、ヨハンさん、お元気そうで何よりです」

「ヨハン!!久しぶり!」

それぞれ再会の言葉をかけ、ヨハンとの再会をかみ締めた。

「久しぶり、それにしても俺がスオミで遊んでいる間にみんな随分偉くなったね。」

この言葉を皮切りに、宴会は始まった。

みんな酒を飲み、料理を食べ、思い出話に花を咲かせていた。

「もぉぉ・・・・・・なんでヨハンは私たちの結婚式着てくれなかったのよぉ!」

「まぁ・・・・・・いいだろぉ…俺も忙しかったんだからよ……ヒック」

「忙しいって、どこで何していたのよぉ・・・・・・」

「まぁいいじゃねーかリーナ、こうしてヨハンが着てくれたんだから。」

「でも・・・・・・」

言葉を紡ごうとしたが声にならず、そのまま声は寝息に変わっていった。

一人が寝始めると、みんな酔いつぶれて寝てしまった…ロルフを残して。

「・・・・・・しかたないか…俺が一番酒に強いからな・・・・・・」

そんな事を言いながら、ロルフは後かたずけを始めた。

随分硬くなった手を使いながら…。

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こんばんわ〜昼に見た人はこんにちは〜朝に見た人はおはようございます

最近弟がパソコンを使う時間が多くなって、困り始めた逆毛です

タイトル決まりました!!なずけて「Will of Saga」です

意味は「意志の神話」と言う意味です

ようやく第二部も軌道に乗りつつあるので、

応援してくださる方よろしくお願いします。

(誰も応援しない?そこをなんとか…