Will of Saga T


一人の男がルアスへの道を歩いていた

男は青い髪を伸ばし、全ての光を吸い込んでしまいそうな漆黒の瞳をしていた

身長は180ほどで締まった体をしていた

この男、スオミではそこそこ名の通った魔術師らしい

そしてこれから語られる物語はこの男の物語である


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帝国の首都ルアス、アスク帝国の首都であり、

マイソシア大陸でもっとも人と物が集まる都市である

「ふぅ…やっとついたか。」

男はため息をつき、人ごみの中を歩き始めた

男の身なりは「メイジローブ」※1をまとい、肩には「アキュラオーブ」※2を浮かべ

どこにでもいる魔術師といった感じだったが、他の魔術師との決定的な違いがあった

「混血」なのである

だが彼の本当の違いはほかにあった

「混血」だが魔力は「純血」の魔術師をも上回るほどの魔力を持っていた

これが普通の魔術師との本当の違いだった…。

このことが後で彼をどんなに悩ませる事か・・・・

男は酒場に入っていった。

「いらっしゃい!!」

人でごった返す店の中、景気のいい声でバーテンダーが言った

男はカウンターの席にすわりこういった

「ギムレットをくれ・・・・。」

男は出てきた酒を飲みながらバーテンダーに聞いた

「ここで空いている家はないか?」

バーテンダーはにっこり笑ってこういった

「ここの町の家の殆どは空家ですよ、お客さんルアスにきたのは始めてかい?」

「あぁ」

「じゃあこの町のおきてをいくつか教えるよ。」

バーテンダーは暗そうな顔をしていった

「絶対に王宮を侮辱する言葉を言わない…誰かに聞こえたら最後、

  即座にピルゲンに飼われている豚どもにつかまり身包み引っぺがされて

   王宮に連れて行かれて一生奴隷ですごすはめになるよ」

「他にもこの町はスリ・強盗が多いから…。」

「ご忠告ありがとう…。」

男は、バーテンダーの話を途中できって代金を残して酒場を後にした。

ルアスの裏路地を、男は歩いていた

そして男はルアスの町はスリ・強盗が多い、それを早速実感する事になった

道の影からダガーが飛んできて、男と背負っていた荷物を切り離した

おちた荷物をすばやく盗賊らしき男が持ち去った

男は追うことをせず何かを呟き始めた

「バーニング・デス」

荷物を持ち去った盗賊の体が火だるまとなった

「た、助けてくれぇ・・・荷物はこの通り返すから」

「助けたいんだがこの魔法は一定時間がたたないと消えないんでね」

そういい残し、荷物を持ってまた何かをつぶやいた

「ウィザード・ゲート」

男の声が消えると同時に男が光に包まれ、光が消えたときには男の姿はなかった

そのころダガーを投げた盗賊はひたすら逃げていた。

今回手を出した獲物が悪かった!

と思いながら。

だがその獲物から逃げる事は出来なかった

盗賊の前に光があふれる

光から先ほどの男が…。

「さぁて、貴様には何を掛けようかな?」

盗賊は即座にきた道を引き返そうとした…が

「ファイアウォール」

盗賊の逃げ道は、炎の壁によってふさがれた

「ひ!ひぃぃぃぃぃぃぃぃ」

悲鳴をあげる盗賊を尻目に、男はなにやら呟き始めた

「バーニング・デス」

この盗賊も、先ほどの盗賊と同じように火だるまとなった

「死にはしない、だが三ヶ月は火傷のため風呂には入れなくなるがな」

そういうと、男は宿屋の方向へ消えていった。

この事件以来、ルアスのスリたちは魔術師には手を出さなくなったそうだ…。

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こんばんわ〜挨拶好きの逆毛です

思ったより早く続きの作品を書く事が出来ました

読んでくださるかたが何人いるかわかりませんがヨロシクお願いします<(_ _*)>

※1 メイジローブ、Lv41から装備可能。緑色をしたローブ。

※2 アキュラオーブ、Lv50から装備可能。黒く、中央に目が一つ付いているオーブ。