『神々のその後〜リグレス〜』 ここは土中深くのある場所である。 作業場のようになっているそこには たくさんの宝箱とたくさんの巻物が山のようになっていた。 ここは、リグレスの住む世界…。 リグレスと言えば、『金』の子供である。 と以前紹介したが、その作業所を見た限りでは… 『金』を取り扱っているようには見えない。 むしろ…。 「おい、そこの宝箱の上のヒモを切れ!大至急だ!!」 「おい、そこのヤツ!そうそう、お前だ。 どっかそこにある巻物付きの宝箱のヒモを切れ。 え?どれだって?!まったく、どれでもいいというに!!」 と作業所の男の一人が怒鳴り散らしている。 そう…リグレスの世界でやっているお仕事は、『宝箱のヒモ切り』。 …だけではなく、宝箱にゲートを巻きつける作業も彼らの仕事なのだ。 では何故宝箱にゲートを巻きつける作業が必要なのかというと。 …皆さんは、覚えているだろうか? 皆さんがアスガルドの世界でサラセンダンジョンやルケシオンダンジョン・ もしくはスオミダンジョンなどで狩りをした際に その際に、宝箱が出てきたのが見えた。 …なんてことは、ないだろうか? ダンジョンでなくとも他の場所でも狩場によっては、宝箱が出てくる。 でも、あらかじめ置いてあるなどという器用なコトは、大体ナイ。 それは彼ら『金』の一族の作業所の人たちがせっせこ働いている影響である。 彼ら一族は、宝箱に巻きつけたゲートのヒモを上で結びつけ それを切るコトでゲートが作動して、狩場に宝箱が行くようにしている。 一見簡単そうに見えるが、日夜何千何百という宝箱に その細工をしなければならないのだから、大変だ。 「うっ…あともうちょっ…と」と宝箱にゲートをまきつける作業で 人一倍。悪戦苦闘をしているのは、リグレスだった。 宝箱にゲートを巻きつける作業。 実はコレ、力加減が難しい。 うまくやらないとゲートがしわくちゃになってしまうか、破れてしまう。 熟練の人でもたまーに失敗する、この作業。 (どうやって結べばいいんだ(^^;))と悩むリグレス。 「巻きつけるやり方が間違えているぞ。」と言われて 「え?(・・?」とリグレスが振り向くと、そこには自分の父親が…。 「ゲートはこう巻くんだ。」と言うと宝箱の横に立って、宝箱を斜めに傾ける。 そして、ゲートを少しずつ伸ばして箱に密着させるようにして巻く。 後はゲートの両端のヒモを持ったままで、宝箱をそっと置いてヒモを結ぶ。 (お仕事って難しいなぁ。(・・`)) そう思うのと同時に (またみんなに会いたいなぁ(・・`)) と思うリグレスが居た。
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