『神々のその後〜ミーヤのお仕事〜』


マイソシア大陸に朝日が昇る。

その数時間後に起きてくる人々。

今日もそれぞれの町で露店の商人と店の商売人が

陽気な声で物売りをする姿が、あちらこちらにうかがえる。


町の中、今日も冒険者たちが行き交う時。

それがミーヤの活動の始まりでもあった。


(さて、今日もはりきって行くわよ(^^))

自分の姿が人に見えない利点を活かして、町を散策するミーヤ。

今いるのは、『王都・ルアス』。


(さぁ、見つけるわよ(^^))と笑顔で彼女は、駆け出していった。

『ある職業の人間』を見つける為に・・・。


ここでクイズです!! 私ことミーヤが探しているのは、何の職業の人でしょうか?

1.魔術師  2.聖職者  3.吟遊詩人

さぁ、だれでしょう?(^^


と笑顔で読者にクイズを出して、街中を歩き回るミーヤ。

そのミーヤが『ルアス城門前大路』にさしかかった時だった。


『ミーヤ、歌ってー。』

人の声ではない声が、川の方からした。

『ごめんね。今、歌うために適した人を探しているんだけれど、見つからないのぉ』

とミーヤも川と同じ種類の声で呼びかける。

『そこで寝てる人は?』という言葉が聞こえてきて、ミーヤは周辺を振り返った。

すると・・・。

そこには一人で突っ立ったまま、熟睡している吟遊詩人がいた。


(はわっ!『適材適所』ね。(^^;))と苦笑すると

「ちょっと借りマース。」とだけ言って、吟遊詩人と同化するミーヤ。

そして、そのままミーヤは、目を閉じてる状態から目を開けた。

乗り移られてる吟遊詩人の目がスウッと開いた。


「たゆとう川の流れーにはー今日もー流れーて、恵みをもたらすー♪

水ーの流ーれ 人ーの喜びー 私は、それを見て今ー日も流れるー♪」

吟遊詩人の歌は、ピンキオの側を通りかかった者達の耳に入った。


「私はー、今ー日もここに流れるー。流ーれてー 全ての人をー見るー♪

今日もまたー狩りに行く人も、そうでない人も、この声ーを聞いてー♪

私はー今日もここで流れてー♪ そして、今ー日も頑張るからー♪」

なんとなく歌って、やっぱりいいなぁwとか思ってるミーヤ。

しかしっ!!


「そこの君、声が綺麗だね。ハスキーなのかな?(^^」

と聞かれて、ギクッとした。

(ヤバイ!早くこの人から抜けないと!!煤i・・;))と思い立って、

ミーヤは吟遊詩人の体から、スイッと抜け出した。


ミーヤが抜けた数分後、吟遊詩人は目を覚ました。

「いやー、さっきの歌。なんかいいね(^^」

と何でか分からないまま、吟遊詩人の周りには10人くらいの人が居た。

(はぁ?!オレ何かしたぁ?煤i ̄□ ̄;))

吟遊詩人は、訳が分からない。

仕方が無く。「はぁ、それはどうも。(^^;」と答えるしかなかったとか。


スオミ町・・・。

(あー、ヤバかったぁぁ〜。(^^;))

と苦笑の様子で町に現れたミーヤ。

そう・・・さっき歌っていた時に出ていたのは、吟遊詩人の声ではなく

自分の声だった。


(あぶなっかしぃ。私自身焦ってたから忘れていたけれど

さっき同化したの男の人だったんだよね。あー、うかつでしたぁ(^^;))

何となく反省して、今度は女の吟遊詩人さんを探すミーヤ。

今度はちゃんとした人を見つけて再び歌いだす。


「水ーのさやけさ、取りー戻ーさん、私は、歌う今日もこの地でー♪

水ーよ、我らのー力とならんー♪ 我らのー思いーよ今日も変わらぬー♪

全てに癒しの力を与えよー♪ 全ーての命の源たれー♪」

それだけ歌うと、ミーヤは女性の吟遊詩人の体から抜けて、ミルレスに向かう。

あとに残されたのは、


「心地のいい歌だったぜ。(^^」

とその近くで聞き入っていた人達から賞賛されて

「え?えっ?(・・?」と事態が飲み込めていない女性の吟遊詩人が一人。


ミルレス町・・・。

(さぁ、これであとはココとルケシオンだけねっ!)

と気合を入れなおして、ミーヤは再び捜索隊ヨロシク、吟遊詩人の捜索を開始した。


それから5時間後の夕方3時。

(やっと終わった。さぁーてと、また明日の為に帰ろう+(・・))

とミーヤは、ルケシオン町の砂浜から立ち上がると、どこかへと消えた。

そして、ミーヤがさっきまで座ってた場所の隣では

一人の吟遊詩人が眠りこけていた。