『神々のその後〜エリアの思惑〜』


「さて、次は何の話をしようか(^^」と笑顔で切り出すエリア。

そんなエリアの言葉に困惑するグレゴリ。

「そんな顔しないでよ。こっちだって何を話せばいいのか、分からないよ(^^;」

と苦笑するエリア。

「今は何て言えば良いのか分からないけれど、ごめんね。」と謝るグレゴリ。

「何に対してゴメンなのか分からないけれど、いいんだよ。」と笑顔のエリア。


(余計なこと、言っちゃったかな?)と思ったエリアは

話題を少しだけ変えてみた。


「グレゴリは…自分の父さんにたいしてどう思う?(^^」

そう質問されて

「父ちゃん?よく怒ったりするけれど…でも、何かしたり、

お仕事している時の父ちゃんは、好きだよ(^^」

と笑顔で答えるグレゴリに

「そっか…。あ、ゴメン。そろそろ月に戻るよ。あと5時間後に朝みたいだしね。

グレゴリもそろそろ寝ておかないと、朝になっても起きれないよ(^^」

とだけ忠告をした。…が、


「エリア、帰っちゃうの?(・・`」と落ち込んでるグレゴリ。

こうなると、なかなか寝ないのがグレゴリの性格なのもよく知ってるだけに

エリアは、心の中で溜息をついた。

(仕方ない。こうなったら、あの方法で…。)と思い立ったエリアは

顔の半分を手で覆うと、そのすぐ後に目を開けた。

そして…。

「グレゴリ。私の目を見て。」と言って顔を上げた。

「え?」と言ってエリアの目を見たグレゴリ。

その目に映るのは、漆黒に黄色い縦の線がスッと入った、エリアの目。

グレゴリの意識がだんだん遠のいていく。


「すー…。」と目の前のエリアにもたれかかるように眠るグレゴリ。

「さて、グリフィゴール殿に引き渡すか。」と呟くと

グレゴリを背負って、エリアは歩き出した。


太陽の宮殿・渡り廊下…。

グレゴリを背負いながら歩くエリア。

しかしその顔は決して無表情ではなく、これから起こる問題の大きさを感じていた。

(私は…どうすればいいのだろうか?)

そう悩む背景の裏には、月の世界の次の王の候補者としての問題があった。

(月の者なら、望まない者はないとされる『王』としての権威。

私ですらソレを望まないと言えば嘘になる。

だが…私が王になることは、グレゴリを裏切るコトになる。

…私に裏切れるだろうか?友を…そして、役目そのものを…。)


グレゴリを背負いながら長い廊下を歩くエリア。

その時だった。

「エリ…離れてかないで…」と言うグレゴリの寝言が背中から聞こえた。

(このノー天気が。私は、いろいろ考えているというのに(・・#))

とちょっとだけ腹が立ったエリア。

けど…。


(分かったよ、グレゴリ。君が次代の王になり、

その仕事をするときは私も協力しよう。君を賢明な王にする為にも。

太陽の世界の為にも。…月の方は、知り合いに頼んどくか。)

と割り切ってるエリアがいた。