『神々のその後〜宴の夜 その2〜』


マイソシア大陸 午後8時。

「…それで終わり?」と訊く戦士に

「いや、まだ続きがある。

引き離されてしまうことが決定した時に、月は太陽に向かって言ったんだ。

『あなたの世界で子供が生まれたら、私もそれとほぼ同じくらいに

私の世界で子供が生まれるようにするわ。そしたら、きっと…

きっと誰かが私達の『願い』をかなえてくれるかもしれないから』って」

「へぇー、なかなかいい話じゃない。(^^」

隣で物語を聞かせてくれる聖職者に笑いかける戦士。


「あーあ。そんな恋してみたいなぁ(^^;」

相手いないけどね。と苦笑する聖職者。

「あら、今の話で口説き落とすとかは?(^^」

と言う戦士に

「いや、それはやる気ないよ。

自分で好きだと思った人には、自力で振り向かせるさ(・w・)〜♪」

と軽く笑う聖職者。


「そんなんだから、彼女できないのよ(−−;」という戦士に

「彼女は作るもんじゃなくて、振り向かせるものだ(^^」と笑う聖職者。

結局。この2人の言い合いは、のんびりと続いた。


同じ頃、太陽の世界。

(ともかくエリアを探さなくちゃ!(・・))

とだけ結論付けて、グレゴリは立ち上がると夜の太陽の町を歩き出した。


太陽の世界の公園…。

「キイ…キイ…」と音を立てながら、ブランコに座っているエリア。

その心境は、かなり気まずくて、落ち込んでいた。

(ああ、やっぱり女になるんじゃなかった。

これじゃ太陽の宮殿に戻りたくとも、戻れない。

グレゴリだって、凄く驚いていた…尚更、帰れない。)

頭の上にズーンと重い空気がのしかかったような感覚がしたエリア。

しかし、そのエリアに更なる厄介が降りかかる…


「よぉ、そこの姉ちゃん。オレ達と遊ばねーか?…ヒック」

…酔っ払い3人組にからまれた。

「断る(−−」とエリアは、キッパリと答えた。

「そんなつれないこと…ヒック…いってないでさぁ〜…ヒック」

と言いながら、エリアの肩にポンと手をかけた酔っ払いの一人。

しかし、その直後シュッと風を切ったエリアの裏拳が当たり

酔っ払いが一人、倒された。


「やりやがったな、このアマ!(・・#」

と怒り出す2人の酔っ払い。

それとは裏腹にエリアは涼しい顔で2人を見上げた。


「拒否したのに、納得しないからだ(・・」

ときっぱり言うエリアの言葉が気に食わないのか

「うるせー!」と言うと酔っ払い2人は、エリアに向かって走っていく。

「やれやれ…(−−」とエリアは、溜息をついた。


(エリア、どこだ?!(・・三・・))

と周りを見回しながら、歩くグレゴリ。

しかし、一向にエリアの姿は見つからない。

(月の世界に帰ってないといいけど…(・・;))

わずかな不安を感じるグレゴリ。

・・・とその時。


「なぁ、公園のあたりでケンカ騒ぎだってさ!(・・」

「へぇー。で、どうな訳?!(・・?」

「何でもウワサじゃ、そこそこの美人が酔っ払いとケンカしてるとかで(・・」

と言いながら、グレゴリの横を通り過ぎてく2人組。


(まさか…急がなくちゃ!煤i・・;))

何となくイヤな予感がして、グレゴリは公園まで走った。


マイソシア大陸 午後8時10分。

「全く、何でそうあなたは、『おちゃらけ』てるの?(><」

「仕方がナイ。生まれて育つまでにこうなったんだよ(^ワ^」

と追求している戦士に聖職者はケラリと笑う。

相変わらず、間抜けな会話が続いたとか。