『神々のその後〜月の世界の問題〜』


太陽の世界で問題が起こっている頃。

それと並行するように、月の世界でも問題が起きていた。

原因は、太陽の世界と同じ『王位継承』に関する問題だった。


月の世界では、太陽の王族や、王族の親戚方の『世継ぎ』が生まれると

その『世継ぎ』と同じ空気を持った『月の者』が

『王位継承権』の『候補者』として上がるらしい。

しかし、ここから先は太陽の王族とは違っていて、

月の場合、男も女も王様になれるのだ。

更に月の世界では、その候補者達だけで『話し合い』が行われ、

その中で誰が王になるかを決めるのだが…。


「…(−−;」とエリアは無言で呆れていた。

その原因はと言うと…。


「正直、王様なんてイマドキの感覚じゃないから、なる気ナシ。(・・」

「あっ、同感(・・ノ”」

「大体、堅苦しいよ。ウザー(==;」

「つか、フツーに過ごしているのがなんぼかラク?(−w−」

「だねぇ、賛成、賛成!(^^」

「それにさぁ、謁見(えっけん)だっけ?王様になったら、いちいち顔とか

見せなくちゃいけないのは、面倒だしね(・w・」


エリアを含めた7人の会話がコレである。

これではさすがにエリアも無言で呆れるだけの威力は、十分にあった。


(このままだとヘタをすれば、私が王様になりかねん。(−−;))

正直、王様になってしまおうものなら、太陽の世界には戻れない。

そこでエリアは、6人をそそのかす策に出た。


「王様になったら、好きな人と結婚できるんだよ。(^^」

と一言言うと、6人のうちの2人がピクッと反応した。

「それに王様になったら、ゼイタクいっぱい出来るよ+(・w・」

となおも言うと2人がそれに反応。

「さらに…お城の人とか、月の世界の人に対して命令出せるよ+(・・」

まるでトドメの一言のように残りの2人が反応した。


「あー、今までのは、前言撤回として・・・」という一言をきっかけに

6人の候補者達は、自分が王に!と主張しだした。

その様子を一人じっ・・・と静観しながら

(人心操作が出来ると、こういう風に便利なコトもあるんだなぁ。

ちょっとつつけば、野心家が6人・・・か。)

と思うエリアがいた。


数分後。

エリアは一人、スッと立つと

「では、私は候補者を辞退させてもらうよ。争うのは、苦手でね。(^^」

と大嘘をついて、その場を後にした。


(さて、これで全ては終わった。)

『話し合い』の場所から外へ出た後にエリアは、空を見上げた。

真っ暗な空には、太陽の光がいつもよりも激しく燃えていた。


(そろそろ『王位継承』も激化していくようだ。…月の王位は譲ったが、

太陽の王位だけは、譲れない。)

エリアは、瞬間移動の魔法を使った。