第26話『過去よりの帰還』


フッ…と吹いてくる風とほぼ同時くらいに

18人は現れた。

「ココは…。」と目を開けて周りを見渡せば

そこは今のミルレスの町広場だった。

「どうやら戻れたようだな。」とグリフィゴールは、一安心して

「さて、息子よ。今回の件、どう責任を取る?」

とグレゴリに厳しい表情で問い詰めた。

「えっ…と。あっと…どうしよう(^^;」と苦笑のグレゴリ。

「『苦笑』は、お前の悪いクセだぞ。困ってるのは分かるが、

ここにいる10名にお前は危険だと言える方法で過去に連れて行った。

そして、オレはお前に昔から何度も『時間旅行』は危険だと言った。

『時を越えるのは』ヘタをすれば『世界を変えてしまう』。

今回はさすがにそれらしき異変もなかったが、

もしかしたら…というコトを考えなかったのか?(・・?」

と真剣な口調で言われて顔から冷や汗が出るグレゴリ。


次の瞬間。

「ごめんなさい、私が言い出したんです。アスガルドの歴史が分かったら

今までどう変わってきたかが分かったら、いいなぁって。

軽い気持ちで思っていました。(><」

とコウリアが頭を下げる。

「あぅ(^^;」とグレゴリが苦笑したままで、困惑した。

(誰も怒られないように…。怒られるのは、自分だけでいい。)

そう思ってグレゴリは、何も言わなかったのだ。

だが、コウリアの行動で事態は一気に変化する。


「しかし、息子が『時間旅行が危険』なことを覚えていたら…。」

忘れたばっかりにすまないね…。と申し訳がなさそうに言うグレゴリの父親。

「グリフィゴール殿。私も今回は協力してしまったので、同罪です(−−;」

とエリアが謝る。

「そうだったか…。」

「はい、すいませんでした。今後、グレゴリの行動を監視します。

何か悪事をしたら、何としてでも止めます。」

それゆえグレゴリやあの方の罰は、ナシにできませんか?

と言う無言の意思にグリフィゴールも折れて


「グレゴリ。処罰は、ナシだ。そこのお嬢さんもですよ。」とだけ伝えた。

「父ちゃん、ありがとー(^^」と笑顔で言うグレゴリに

「礼ならエリアに言え。」

とグリフィゴールは、息子の頭をポンと軽く叩いた。