第25話『禁忌』


グリフィゴールは、民家の一つに入って行った。

それに続いて17人がぞろぞろと民家の中に入っていく。


「それで、グレゴリは一体何を?(・・?」と質問するエリアに

「『時間旅行』だ。以前『時間旅行はさまざまな危険が伴うから、やるな』

と禁止しておいたのだ。(−−;」

と落胆の様子で言葉を吐き出すグレゴリの父親。

「何でだっけ?(・・?」ときょとんとするグレゴリに

「はぁー、またか。『時間旅行』は、『空間を飛び越える能力』だ。

それにもし『手が離れたりすると、時空のどこかに飛ばされて危険』であり

うまくいったとしても『現実世界に体があるものは…』。」

言いよどむグレゴリの父親


「グリフィゴール殿!言ってください!!」と必死に言うエリアに

「では、言おう。『現実世界に体があるものはその体から

感覚と意識が抜け落ちて、アスガルドでの感覚が鋭くなる』のだ。

そして、それは『時間旅行』だけではない。『私達、妖精に触れた者』も

意識と感覚が強くなる…。」

と嘆くように言ったグリフィゴールの言葉に

アッシュとルークは、ハッとした。


カレワラに行った時に本来なら感じないはずの空気なのに

「寒い」という言葉が出ていたこと。

『存在しえない感覚』を『感じて』いたこと。

今になってその答えが見つかったような気がした。


「ともかくグレゴリ。みんなを元の世界に戻すんだ。(・・」

と父親に説得されたものの

「無理。」と答えるグレゴリ。

「何故だ?!煤i・・;」と驚く父親に

「町とか瞬間移動で飛ばしたりしていたから、魔力がスッカラカンに(^^;」

と苦笑するグレゴリ。

「まったく、相変わらずだな。(−−;」と呆れる父親に

「では、私の力で戻りましょう。魔力は温存してある故、行けます。」

と冷静に言うエリア。

「すまない。だが、息子の不祥事ゆえ、私も半分力を貸そう。」

とグリフィゴールは、エリアと手をつないだ。

残りの16人が2人と手を組んで円陣を作る。


その数分後。

18人は消えていた。