第1話『初めの一歩〜アッシュの計画〜』


マイソシア大陸アスガルド…。

ここはたくさんの人が住む『一つの大陸』である。

しかし、全ての者が大陸に入るには必ず通らねばならない『場所』があった。

『最初の地』…という名をつけられたその場所は

その名の通り、全ての者にこの世界の理(ことわり)を伝える場所でもあり、

同時に全ての者に『職業』を選ばせる場所でもあった。

職業を選ばない者は、『平民』とされ。

少しだけ『職業に就いた者』との格差があった。


その世界に一人の子供が現れた。

その者の名は、アッシュ。

アッシュは、『最初の地』で学校に入り、アスガルドの世界を学んだ。

ところがその際に妙案を思いついたのだ。

そして、その妙案を実行すべく、クロエ神官のいるエリアで待機していた。

職業を決めることなく…『平民』状態で。

クロエ神官の『職業説明』は、何度も聞いて頭の中にある。

もはやあとは人が来て、自分の計画にのってくれるかどうかだけだった。


(5つの職業に2つの上級職。あとは協力者だ。自分を入れてあと9人。)

どうやら今回の妙案には、アッシュも加担するらしい。

自分を入れて、あと9人と言ってるところからもそれが伺える。


ほどなくして、3人の女の子がやってきた。

アッシュは、その3人に話を持ちかけた。

自分の考えている妙案を全て話すと、

3人のうちの2人が参加に協力してくれることになった。

(これで3人。あと7人か…。)


それから30分後。

2人の男の子がやって来た。

アッシュは、その2人にも声をかけた。

すると…。

「へぇ、面白そうじゃん。」

と2人から意見が返ってきて、協力に参加してくれることが決定。

(残るは、あと5人。)

内心、己の目論見がだんだん成功に近づいていることに嬉しくなるアッシュ。


更に1時間後…。

アッシュの計画がいよいよ叶う瞬間がやってきた。

10人のメンバーが揃ったのである。

(よしゃっ!)とはしゃぎたい気分を抑えて

アッシュは、再び自分の妙案を詳しく話し始めた。

「実は、今回僕が考えた案は、単なる思い付きだったけれど、

それでもその案に同意してくださる方がいて、嬉しい限りです。

では、みんなで話し合って職業を決めましょう。

基本職業は5つ。聖職者・修道士・魔術師・戦士・盗賊で以上です。

今回は10人居るので一つの職業につき、2人就くとして考えましょう。」

と言うと「なるほど。」と言う声が聞こえた。


その後。10人で話し合った。

そして、それぞれの職業が決定した。


聖職者志望は、

ロウランという名の女の子とルークという名の男の子。

修道士志望は、

リーノアという女の子とアッシュ。

魔術師志望は、

クリスとレインという名の…2人の女の子。

戦士志望は、

エララという名の女の子とマイスターという名の男の子。

盗賊志望は、

アシッドとカイムという名の男の子が2人。


「さて、これで一応。みんなの職業をカタチだけでも決めたね。

あとはみんなで職業を選択すれば、それぞれの町に案内されます。

ここから先は、バラバラになってしまうけれど

みんなの幸運を祈りますm(__)mでは、行きましょう(^^」

このアッシュの言葉が合図となったのだろうか?

アッシュ以外の9人がそれぞれ職業を決定して、消えていく。

そして、再び一人になったアッシュも職業を決定して、消えた。

『最初の地』は、再び静けさを取り戻したかのように静まり返っていた。

そして、彼らの物語が始まる…。