『憧れ』


イアサーバ、ミルレス町広場。

「へー、それがデムピアスから出る盾かぁ+(・・」

なるほど、カッコイイじゃんwと知り合いの戦士が持ってる盾を見ているのは

最近61服を着ることが出来るようになったイリューム。


彼の知り合いは、高Lvな人が多い。

Lv80代の戦士や盗賊・70代の魔術師・修道士・

聖職者の知り合いが何人かいたりする。

実際、姉のラファンも70ヘルなので、そのよしみで

イリュームも彼らと知り合った…と言うのが正しいかもしれない。


「オレもいつか70ヘルになりたいねぇ(^^;」

と言うイリュームの右隣に居た修道士が

「君だって、今63じゃないか。@7Lvで70だぞ。d(・・」

と励ましてくれた。

「それもそっかぁ(^^」とイリュームが笑う。

こんな感じのノリで喋れるみんなのコトがイリュームは、大好きだった。

のほほんとした日常。

しかし、この後。異変は起こった。


たったったったっ・・・と誰かが駆けてくる。

イリュームは、知り合いとおしゃべりしていて、気が付かない。

たったったったっ…と駆けてくる足音。

それは、イリュームの目の前でピタッと足を止めた。

そして、次の瞬間!


「お兄ちゃん!!(>w<」と言うと

Lv1服の修道士の男の子は、自分に背を向けるようにして会話している

イリュームにひっついてきた。


「へ?(・・?」と不思議そうな顔で

自分の背中のあたりにいる修道士を見るイリューム。

「ん?イリュームの5番目の弟か?(・・?」

とイリュームにひっついてる修道士を見て、その場に居た盗賊が一言

「ぶ!それはナイ!!(^^;

だってオレの家は、オレも入れて4人兄弟だし(^^;」

と否定するイリューム。


「ンじゃ、アレか?うわさの彼女との間に出来た、こど…」

と右隣の修道士が冷やかしざまにそう言って

イリュームのマシンガンキックの標的になった

ズシャ・・・!!と倒れる修道士とは裏腹に

「だからぁ、噂の彼女って誰だよ? 言っとくけど、オレ彼女いないし

子供作った覚えもないけど?(・・」

きっぱりさらりと答えるイリューム。


実際に付き合ってる相手がいるなら、話は別だが

現に今のイリュームに彼女と呼べるような存在は、いない。


「たしかに・・・(・・」知り合いの一人がそう頷いた。

「うん、なみっち!オレ、何にもしてないからね(・・」

とオレは、一人の魔術師の女性に対して頷いた。

彼女の名前は、涙さん。オレは『なみっち』とか呼んでいる。


「って訳で、オレにひっついてる背後の修道士。アンタ誰?(・・?」

とイリュームは、自分の背後に声を投げかけてみた。

「ぼく?(・・?」とイリュームの背中にくっつく修道士が訊き返してきた。

「オレの背後にいるのは、アンタだけだよ(^^;」

と呆れるイリュームに

「ぼくは、タロウって言うんだ。(^^」

とLv1服の修道士が笑顔で答えた。


「で、何故オレにくっついてるのさ?(ーー?」

「んー、カッコイイから(・・*」

「くっついてても、カッコ良くはなれないけど?(^^;」

だから、離れてくれないかな?(^^;と言うと

「うん、分かった。(・・」と頷いてタロウの手が離れそうになった

その時。


「こらぁ!イリュームに引っ付くなぁ!!(><)」

不意に聞こえた声と共にタロウを突き飛ばしたのは、トフィだった。

(あぁ、またかい(−−;))

心の中で呆れるイリューム。

「いたた、お前誰だよ!><。。」

わずかに涙目になりながら訊くタロウ。


「オレか?よくぞ訊いた!オレはイリュームの彼…」

口上でも切るかのごとく話そうとしたトフィ。

しかし、全て言い切るよりも前にイリュームのマシンガンキックの餌食にされ、

「逝って来いやぁー!!(・・#」

と気迫の一撃で倒された。


「…(・・」と無言の様子で倒れたトフィをタロウが指先でつつく。

しかし、トフィは意識が遠のいているのか動けない。


「あーあ。イリュームの旦那候補が…。」といつの間に回復したのか

右隣で倒れていた修道士がぼそっと呟いた。


「あ〜さ〜だ〜ちゃ〜〜〜〜ん、今度はクイポ使ってマシンガンで

応酬してさしあげましょうか〜〜〜〜?(^^」

ニッコリと笑顔のイリューム。

しかし、体の周りから出ているのは、明らかに殺気。

「え、遠慮しとく(^^;」と朝田という名の修道士は苦笑で拒否した。

「あぁ、惜しかった。修に使ったら、どのくらいダメ出るのか

見たかったのに(・・」

とイクシオはちょこっと残念そうにそう言った。