『予想外の…〜盗まれた薬〜』


10月中旬に『ナゾの薬、騒動記』が終わり、11月になった…。

オレの周りは普通に戻り、何事もない『平和』な日常が帰ってきた。


あ…自己紹介を忘れてた。

オレの名前は、イリュームだ。

ホントは41服を着ていないとおかしいのだろうが

狩りに行かないときは、Lv1服でLvをごまかしつつ。

イアサーバのミルレス町でのんびりしている修道士だ。

騒動が起こる前の日常とほぼ変わりない最近がうれしい限りだと思っている。


しかし、こののんびりできる時間は『かりそめの安息』だった。

オレにとっての平和を打ち破るような出来事が再び起ころうとしていた。

オレだけではなく、オレの兄弟を巻き込んで…。


11月も中旬にさしかかった。

いつものようにミルレスの町広場で『日向ぼっこ』と称して

ボーッとしていたオレの意識に向かって

(またーり聖:「イリューム、大変だあっ!!」)

と知り合いの聖の叫びにも似たWISが聞こえてきた。

(この頃『ふざけた話、続編』の期間中だったのだ。:By作者)


(イリューム:「どした?つか、何があった。」)

と訳もわからず質問したオレに

(またーり聖:「ヤバイよ!僕の家に泥棒が入った!!」)

と慌てた様子でWISするまたーり聖。

オレはオレで驚いて

(イリューム:「ちょっ…って、おいおい!まさかとは思うが金目のモノとか

置いてないよな?!」)

と驚いて尋ねたオレに

(またーり聖:「少しは置いてあったかも…でもね、それは盗まれてないけど…

金目のモノよりもヤバイものが盗まれた。」)

と返ってきた返事に

(イリューム:「何を盗まれたんだぁ?!煤i・・;」)

とツッコミを入れると

(またーり聖:「イリューム、覚えてる?前に君に渡した緑色の『試薬』。

あれを少量ほど盗まれた…(;;」)

とまたーり聖は、WISで答えた。

オレはWISで返事を返す前に言葉が出なかった。


(あの試薬のせいで、オレは体が女になった上にトスカとか言うのに探されて…

挙句の果てに狩り仲間のトフィが暴走キャラに…。)

オレ本人からして、良い思い出はない薬だった。

(またーり聖:「でも、おかしいんだ。あの薬、封をしておいたのに」)

何で?とでも言いそうな感じのWISを見たオレの脳裏にフッと浮かんだのは…。

トフィの顔だった。


(アイツか?!盗んだ張本人は?!しかし証拠がないと、どうしようもないし)

オレは迷った。自分のカンではトフィかもしれないと思うのだが

何の証拠もないのに疑うことはできない。

ましてや…できることなら今は会いたくもないし、話したくもない。

(またーり聖:「ともかく君も気を付けて!」)

以前のコトもあってかそう言い残すとまたーり聖は、WISを切った。