第5話『道案内』 ミルレス薬屋地域…。 ティアイエルに手をつながれたまま歩く、ガブリエル。 「ほら、あっちの右斜めの建物が薬屋よ。あとで寄りましょう。」 そう言って、ティアイエルはまた歩き出す。 それにつられるようにガブリエルも歩き出す。 やがて来た場所には、桃色と白の法衣を着た神官が立っていた。 「この神官さんに話しかけてスペルブックを買うの。」 と言うティアイエル。 ありがたいんだけれど…。 「実はあんまりお金ないんだ。」 というガブリエルに驚いて 「仕方ないなぁ。」と言うとティアイエルは 「じゃあ、受け渡しの機能をオンにする方法教えるから」 そう言って、受け渡し方法をゆっくりと教えてくれた。 更に受け渡しが出来るようになったときに 「いくよ。」と言ってLv3のスペルブックを次々と入れてきた。 「へ?」と驚くガブリエルに 「ないと困る魔法だから。今渡した魔法のいくつかは、 いずれ狩りの際に重要になってくるよ。」 そう言ったティアイエルの顔は、真剣だった。 「ともかく、スペルブック覚えちゃいなよ。」 といった時のティアイエルは、もう笑顔だった。 その後。オレは、ティアイエルからもらったスペルブックを覚えた。 「さて、それじゃあ薬屋に寄ろうか(^^)」 そう言って歩き出したティアイエルの手を オレはためらいもなく握っていた。 薬屋に入ると、いろんな薬やゲート・ポーションが売っていた。 ティアイエルは、いろいろな説明をしてくれた。 結構分かりやすかった。 結局、薬屋でMP回復アイテムを買ってもらい、店を出た。 「そう言えば、服は?」 ティアイエルがオレの格好を見て、そう言った。 「あ、まだ買ってないや。」と言うオレに 「じゃあ一旦、広場に戻ろう。」 と言うと、ティアイエルは、最初に来た道を戻って行く。 ミルレス町広場…。 「ここでLv1服が買えるよ。」と言うティアイエルに 「どこで?」と訊くオレ。 「あのお店で。」と言われた方を向くと、そこには1件のお店。 「でも、あれって確か『何でも屋』だよね?」 「そうだよ。でも、1服も売ってる。」ティアイエルは、キッパリと答えた。 オレは、店のお姉さんに話しかける。 (あったよ…)すかさず1服を買って、着てみた。 「これで冒険者って感じになったね。」オレを見てティアイエルがそう言った。 なんか少し嬉しい。 「でも、負けないから^^」 にっこりと笑顔で宣戦布告するティアイエルにちょこっとの感謝と そして、ちょこっとのライバル意識を持ちつつ オレは、明日から頑張ろうと思った。
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