第23話『私の好きな人…』


それから数時間後のルアス町広場。

マリンを抱き上げたまま、ザズが広場に戻ってきた。

ミリアは、ザズやマリンと一緒にミルレスへと戻っていった。

そして…私ことティアイエルもミルレスへ、戻ったの。


それから数日後。ルアス町…。

ガブリエルは、ルアスで出来た仲間と共に狩りへ行くことになった。

以前のLvはまだ48だったが、高Lvの友人も多く出来た為。

時折、高Lv仲間と一緒に狩場へ行く機会が多くなり、今はもうLv50。

そして、今日もまた狩りに誘われていた。

場所は、ルケシオンダンジョンの3番目のエリア。

ドロイカンマジシャンやドロイカンナイト・マレックス関連・クレブタ

などが主な出没モンスターだ。


「名声もかなり入るからウマイぞ(・・+」この一言でガブリエルは

「行きます!(・・+」と即座に返事をしてしまったのだった。

そして、この時。

戦士2人・聖職者4人・魔術師2人の集団PTは、

サラセンダンジョンを歩き回った。

幸い、魔術師と戦士の中に高Lvの者がいたおかげで

狩りは、そこそこ楽だった。

しかも、前衛や後衛がモンスターをドカドカ倒してくれるので

経験値の貯まり具合は、かなり良かった。


徐々に、10%が20%に・・・と上がっていく。

(すごい。ここは、結構経験値がおいしい!)

ガブリエルは、必死に補佐として補助魔法をかけていく。

全WIS聖としての影響か、MPの回復量は、やや多くなっていた。

結局、この日だけで25%も経験値を稼いだ。


そして、翌日も・・・また翌日も・・・と狩りを続けて7日後。

ガブリエルは、50ヘルを越えた。

(やった!(^^))と嬉しさがこみ上げてくる。

その後、知り合いのPTのLv上げに再びルケシオンダンジョンに向かった。

結果として、Lv51の70%で終わり、名声も25まで上がった。

オレは、嬉しさのあまりミリアにだけWISで知らせた。


さらに数日後・・・。ルアス町広場

いつものように使えるアイテムはないかと広場へ出たオレ。

すると、ポンと肩に手を置かれた気がして、振り返った。

そこに居たのは、ティアイエルだった。


「前にも関わるな。と言ったハズだけれど?」

毅然とした面持ちで、オレはそう言ってのけた。

「風のウワサでヘル超えたって訊いたのよ。」

ティアイエルは、わずかに笑うような表情で言い出した。

「そりゃどうも。それよか、オレにかまってていいのかよ?

ラティ・・・だっけ?アイツんトコ戻ってやればいいじゃんか。」

ティアイエルの方を向かずに言い返す。


「ううん、戻る気ないわ。」ティアイエルは、さらりと答えた。

「は?!アイツ浮気したのか?」訳の分からないオレ。

「違うわ。彼は、悪くないの。私に好きな人が出来たから。だから断ったの。」

ティアイエルは、普通に答えた。

「ほぉー。また他に好きな奴ができたのか?おめでと。」

やっぱり、ティアイエルの顔を見ないで言うガブリエル。

「うん。(^^」と嬉しそうに言うティアイエル。

「顔は?どんな奴さ。」と訊くガブリエルに

「こんな奴よ。」とティアイエルは、ガブリエルの背中に寄り添った。

(え?!)と驚いたガブリエルは、くるりと振り向いて

ティアイエルを見た。

「もう、離れていかないでね。」

と安心した顔でオレを見るティアイエルは、すごく女らしく見えて・・・。

オレはいつの間にか顔が真っ赤になってたらしい。

「え?ちょっと、大丈夫?!(・・;」とティアイエルに心配されていた。

(我ながら情けない。)と思いつつも、こればっかりはどうにもならない。

結局、ティアイエルに病気の熱と誤解されたまま、今日一日が過ぎて行った。