第9話『50ヘル越え〜ティアの場合〜』


タタタタタタタタ…とティアイエルは、ノカンA−2エリアまで走っていた。

エリアが進むにつれて、彼女をタゲとして狙うモンスターもいた。

しかし半分は、ティアに無視され。

残りの半分は、ティアの力で倒された。

そして今日も彼女は、A−2エリアに到着した。


「やっほぉー♪」と陽気に挨拶すると

「ぉ、ティアじゃん。」と知り合いの何人かが気が付いた。

「ティア、今日はソロ狩りか?」姿は見えないが、近くで声がした。

「うん、そうだよ。ラティ」

とティアイエルは、声のした方を向いて答えた。

「あっちゃぁ、バレてたか。」

ティアイエルの右隣に一人の盗賊が現れた。

「だってラティの声。ハスキーだから分かるもん^^」

とティアイエルは、笑って答えた。


「まいったな。…そうだ、ティア。オレのPTに入らない?」

とラティが言った。

「へ?」なんで?と言いたげな顔のティアイエル。

「実は、オレんとこのPT、攻撃力足らんから。

あ、でもその代わり補佐はいるんだ。3人ほどな。」

そう言われて、ティアは

「じゃあ、入れてw」と笑顔で言った。


「OK」と言った後にPT状態が表示される。

「おーい、ラティ!新たな仲間か?」

ラティのPTメンバー達がやって来た。

「ああ、そうだ。オレのダチのティアイエルだ。」

「ティアイエルです^^あだ名は、ティアです」

ラティに紹介された後にティアイエルは、笑顔で自己紹介した。

「おっ、可愛いね。」

「よろしくですwティアさん。」

「ティア、お互いに頑張りましょw」

3人の聖職者に挨拶されてティアイエルは、嬉しい気持ちになった。

「さて、そんじゃ行くか。」ラティが走り出した。

「了解!」ティアイエルもラティに遅れないように走って行った。


ディグバンカー前のエリア周辺を歩き回って狩りをした。

吹き矢とおじさんに攻撃しながら次々と倒していく。

聖職者達の回復魔法の声・他のPTの喧騒…。

何もかもが混ざり合い、ディグバンカー前は、狩り場本来の空気があった。

殺気・闘気・Lvアップ直前までの逼迫した空気…。

その何もかもがティアイエルの気力を上げていた。

(絶対に50ヘル超えてやる!)強い意思がそこにあった。


その頃、ノカン村。

ミリアに補佐されながら、ガブリエルは狩りをしていた。

ノカン村入り口に集まってくるノカンを相手に

ガブリエルは、ブレスハンマーで叩いていた。

ん?ブレスハンマー??

前回までは、スモールハンマーじゃなかったっけ??

あ、設定に書いてないや(^^;


物事は、数分前にさかのぼる

「これを・・・」と言ってミリアは、ガブリエルにハンマーを渡した

「なぁ、ミリア。これ、スモールハンマー?」

「いえ、ブレスハンマーですわ。威力は、スモールより少し高いです。」

「へぇ、んじゃ使ってみよ。」

とガブリエルは、ブレスハンマーを装備した。


それから数分後の現在。

相変わらず、ガブリエルは、ノカンを相手にしていた。

Lvは徐々に上がり、今はLv33。

(ティアイエルが50超える前に追いつかないと)

ガブリエルは、ブレスハンマーでノカンを狩り続けた。


この日、ガブリエルは34までLvを上げた。

ティアイエルは、50ヘル中で5%まで経験値を貯めた。

果たしてガブリエルは、ティアイエルに追いつくことが出来るのか?