第4話 『皓・1』


ミルレス町広場・・・

(全く。あんの『まとい聖』の奴・・・。)

相変わらず、『またーり聖』の名前を覚えない皓。

いらだたしさのあまり、やや表情が怒りに変わっていた。


「あら?」

ややお怒りモードに入ってる皓を見かけたエルは

(何かあったんでしょうか?)と言いたそうな表情で皓を見かけた。

しかし、当の皓は見られてるとは気が付かずに、怒ったまま歩いていく。

エルは後を追いかけた。


ミルレス森の中・・・。

ミルレス分岐点

「あー腹立つ!」

皓は、モス・プロブ・ラフレに八つ当たりをしだした。

モンスターを素手で殴りつける盗賊がそこにいた。

「ブレシングヘルス!」とっさにエルは、魔法を使った。

「え?」と皓が振り向くと、そこにはエルがいた。

「どうかなさったんですか?」と不思議そうな様子で訊くエルに

「なんでもない。」と皓は、首を左右に振った。


「誰かにからかわれたんですか?」

エルにそう言われて、皓はおし黙る。

「昔組んだ時からそうでしたわね(^^)」

にっこりと優しげな表情でエルはそう言った。

「何故分かるんだ。」

「元.相方としてのカンですわ(^^)」


動揺することも…ましてや驚くこともなく、笑顔で答えるエル。

今、オレが喋っている相手は、笑顔で普通に話しているだけなのに・・・。

オレの怒りは、いつの間にか消えていた。

「いつもの皓にもどりましたね(^^)」

笑顔を絶やすことなく、エルがそう言った。

「うん、戻れた。」とオレは頷いた。

「皓。狩場に行ったら、怒っちゃダメです。冷静にならないと

場所によっては危険ですわ。(^^)」

とエルは、笑顔で諭してきた。

「ホンット、そうだよなぁ。」

わずかにオレの表情が笑顔になる。

久しぶりに笑った気がする。


肩の力が抜けてきて…オレは、楽になった。

そして、つい言ってしまった。

「エル、オレと付き合ってくれないか?」と