第2話 『本の中身〜皓の本音1〜』 ミルレス雑貨屋地域・・・ 「ぜい・・・はぁ・・・」 普段皓と一緒に狩りしてたとは言えど、やっぱり走るのはしんどい。 またーり聖は、雑貨屋地域につくなり肩で息をしていた。 「さってと、皓がやってくる前にどっかに隠れるか(・・)+」 空き民家の人があまり来なさそうなところを探してみると 2件ほど、カーテンのかかった民家があった。 (しめたっ!)とそのうちの一件に入ると何とがら空き! すかさず鍵をかけて中に入ると火のついていた暖炉に座り、本を開く。 「・・・これは。(・・)」 『本』の内容は意外なことに『日記』だった。 (へぇー、皓ってあんまし文字とか書かなさそうなのにな。) 最初は何もかいてないページだったので、次のページをめくった。 そこに書いてあったのは、ケンタやユウト達の記録…。 (あ。番外編『クロスティア』のむかしむかしの頃か。) 僕は、すぐに気が付いた。 さっそく目を通して見た・・・。 『○月○日 今日は、朝から晴れていた。 いつものように狩りをして、時間が来れば、家に帰るのが当たり前だった。 けど、今日は違った。 何でか分からないけれど、右手に違和感がした。 仕方なく、今日は狩りをせずに町へと戻った。 ミルレスは・・・相変わらず往来や物売りやらで人が多かった。 気にしない振りをしていた。いつものように通り過ぎればいい・・・と。 けれど、通り過ぎようとした時。 パシッと右手に違和感が走った。 慌てて右手を見ると、中指に今までなかった糸のようなものが見えた。 糸は、どこかに先があるらしい。ずーっと長く伸びていた。 オレは好奇心と共に走った。 楽しくなりそうな予感と共に。 少し走った先にいたのは、一人の子供。 おろおろしながら、困惑する子供が一人、突っ立っていた。 なりゆきを見ていようかと思ったら、不意に子供がオレを見て…。 「皓!」とオレの名前を呼んで、ひっついてきた。 オレは、内心うろたえて…そして右手を見た。 オレの右手の指の糸は、この子供の左手とつながっていた。 「名前は?」思わずオレはそう訊いていた。 「ケンタだよ。そして、皓。オレは、君のリアルだよ」 そう言った子供の言葉に不思議と納得してしまっている自分がいた。 冗談なのか本気なのかは、分からなかった。 けれど、何かが起こりそうな気はする。 それだけは何となく感じた。』 日記の内容はさらに続いていく・・・。
![]()
![]()