第2話


「あ…。」

ラファンが顔を上げた先には71服の聖女が1人、立っていた。

「りーさん^^」

ラファンに「りーさん」と呼ばれた聖女は、優しげな表情で

「久しぶりです。」と挨拶をした。

「お久しぶりです。」とラファンも笑顔で挨拶をした。

「どうしたの?元気なさそうですよ?」とりーさんに見抜かれて

ラファンは、内心ギクッ!としたものの…

「シュアと会わなくなってしまって、一緒に話す機会もなくなっちゃって

正直…寂しいです。」

と心境を打ち明けた。


「なるほどねぇ。」とりーさんは、話を聞いて頷いていたが

「でもね、ラファンさん。それ、シュアには言ったの?(・・?」

と切り返ししてきた。

「言ってません。と言うよりも、この状況では言えないし(^^;)」

とラファンは、隣で眠るシュアを見た。

「確かに(^^;」とりーさんは苦笑で納得した。


「でもね、寂しいとかって言わないと分からないわよ?

お互いにすれ違ってるのなら、なおさら。

会ってないんだから、相手のコトなんて分かりっこないでしょ?」

とりーさんは、ツッコミみたくそう言って

「でも、シュアも寂しいとか思ってるんじゃないの?

ただ口に出さないだけで、いつもみたく振舞ってるだけかもしれないし。」

と笑いながら、言い出した。

「それは分かりません。いつもWGで楽しそうに誰かを転送してますしね。」

とラファンは、わずかに首を振って、意見を否定した。


その時だった。

「ふあ・・・。」と欠伸をしてシュアが起きた。

まだわずかにボヤーッとした視界のまま、シュアが私を見た。

「ラファ・・ン?」

目をこすってシュアが質問してきた

「は、はい。」

ビックリして答えちゃう私。

「ラファン・・・会いたかった。」

次の瞬間、私はシュアに抱きつかれていた。

「さぁーて、邪魔者は去りますかぁw」

りーさんの声が後方から聞こえた。

私は私で顔が真っ赤になっていた。


「ずっと狩りに行ってたんじゃ…なかったの?」

「狩りにも行ったし、WGで誰かを転送してたりもしたよ。

でも、ある時 気が付いた。いつもならミルレス広場にいる君が

いつの間にか見えなくなったから。だから、探そうと思ってここ数日。

いろんな町とかに行ってたんだ。」

そう答えるシュアに私は、何だか申し訳ない気がした。

「でも、またこうして会えて本当によかっ・・・」

言いたいことを言い終わる前に、シュアが倒れた。

「え?!シュア?!ちょっ・・・」

『大丈夫?!』と心配した矢先。

「すー…すー…」とシュアは、寝てることが判明。

「…相変わらず無茶なんだから^^」

とラファンは、笑った。


『タリナイコトバ』は『違う言葉』で埋まった気がした。

コトバの中にある気持ちが同じなら、

きっとそれが『タリナイコトバ』の『カギ』なのかもしれない。