第16話


翌朝、オレは気持ち良く目が覚めた。

昨日の夜、心の中に溜まった言葉を全部言ったせいか

不思議なほどに気分が軽くなっていた。

(アプサラスやミアスのことでゴチャゴチャしてたけれど

今ならもう、ふっ切れるかもしれない。)

確信に近い気持ちになっていた。

(それに・・・。)

リゼルを見た。まだよく寝ている。

(リゼルと一緒にLv上げしていくか。

今は、50ヘルを越える事が一番の目標だし。)

イリュームは、目標の再確認をした。


それから1時間後にリゼルの目が覚めた。

オレとリゼルは一緒に組んで、ソインゴット狩りへ出かけた。


ミルレス町広場…。

そこにはアプサラスとミアスが2人で話していた。

「ミアス。」
「なあに?アプーw」

ミアスはアプサラスの顔を見た。

「ミアスは、最初にオレやイリューと会った時。イリューの事、見てたよね?」

「うん。」動揺することなくミアスが頷く。

「どうやってオレに決めたの?」アプサラスの質問に

「ほえ?」とミアスは困惑顔になったものの

「最初は、イリューがカッコイイと思った。でもね、話していると

アプーのが楽しいの。ずっと一緒に喋ってたいって思ったから。」

ミアスが照れながら、そう言った。

(言われてみれば。イリューは、あんまり笑ってない気がする。)

これにはアプサラスも納得した。

「イリューにも心から笑えるような人ができるといいね^^」

ミアスが笑って言った。

「だなぁー。」アプサラスも笑って頷いた。


一方その頃、ソインゴットのテントで・・・。

「くしゅん。」とイリュームは、くしゃみしていた。

「風邪ですかぁ?」リゼルがちょっとだけ心配そうに見た。

「普通、ベットで寝たら寝相でも悪くない限りは大丈夫だよ。

多分…ウワサだな。誰かが言ってるのさ。」

オレはそう決め付けることにして。

「リゼル、次へ行っても大丈夫か?」リゼルに確認する。

「うん、大丈夫だよ!」とリゼルが頷いたのを見て

「んじゃ、次行くか。」と走り出した。

「O.K!!」とリゼルも後を追うように走った!!

2人の去った後には、ソインゴットの死骸がいくつか落ちていた・・・。


サラセンダンジョン、シドリエリア・・・

「ゴオッ!!」とアイススパイラル特有の音が聞こえる。

シュアは、ラファンと一緒にシドリエリアにいた。

「やっぱシドリは、硬いね。」シュアはふう。とため息をついた。

「やはり、次のカタツムリさんのとこにでも行きますか?」

うーん。と考えてる様子でラファンが訊いた。


ラファンの言う『カタツムリさん』とは、シドリの次のエリアに出る

『スモディ』という名の女カタツムリのことである。

攻撃技は、投げキッスでダメージを与えてくるのが主。


「うーん、そうだねぇ。あっちのがシドリに比べて攻撃当たりやすいし。

行こうか、ラファン。」とシュアは、笑顔で言った。

「はいw」とラファンも笑顔で言うと、シュアと一緒に走り出した。


その日、みんなばらばらにそれぞれの一日を過ごした。


夕方になった頃。オレとリゼルは、テントから脱出した。

かなり長いことやったおかげで、オレの経験値はかなり上がり

現在60%・・・あと40%に。

オレと一緒に組んだリゼルは、55%・・・あと45%になった。


ソインゴットは、宝箱が出る。

そう聞いていたが、事実。宝箱をかなり見つけた。

宝箱の中には、壁に隠れてみえないものや

モンスターのいる側に置いてあったりするものもあって

見つけるのもちょっと大変だったが、見つけたときはわくわくした。

出てきたものは、戦士Lv65のスキル『ブレイブスピリット』

アスサークル・『スーパーリカバリ』・ビカスピリッツ(聖Lv21光服)・

ブレンダークライム(盗Lv61服)の6つが出た。

幸いドロップはそれぞれ3つずつだったので、2人でそのまま鑑定してもらい

店売りなどにしてお金に換えた。

「また、今度あたりソイン行くかぁ^^」

オレは冗談半分に言ってみた。すると・・・

「はいっ!是非とも行きましょう!!」と元気そうにリゼルが答えた

(宝箱が原因だな^^;)

オレはちょっと苦笑した。


「あ、そうそう。イリュームさん、僕と一緒に暮らしません?」

にっこりと笑って突然リゼルが言いだした。

「は?!」いきなり言われてオレは、困った。

「えーと??」と混乱しつつ、リゼルの方を見ると

「うーん。言い方が悪かったですかね?」とリゼルが言い出した。

「いや、言い方が悪いとかじゃなくて^^;」

苦笑しつつ言いたいことが言葉にならないのが…我ながら情けない。


「僕の家にいる時以外、外の木に寄りかかって寝てるって聞いたから。

実際に僕も外の木に寄りかかってみたんだ。結構痛かった^^;」

とリゼルが苦笑気味に言った。

「まぁな。慣れないうちは、痛いからな。」オレは頷いた。

「そこで僕は考えた。あんなにゴツゴツな木に寄りかかって寝たら

かなり痛い。ついでに言うと・・・。」

とリゼルは、言葉を引っ張り

「僕が住むこの家。実は一人で暮らすには広くてさ。

一人でいるのもどうも空しくてねー。おまけに何でかベット2つあるし、

だったら誰か1人くらい増えてもいいかなとは思ったんだけれど・・・。

僕の知り合い、君しかいないから。」ときっぱりと言い出した。

それまでマトモに話を聞いてたオレだったが、なんか肩の力が抜けて・・・

「あははは。」いつの間にか笑ってた。

「どう?考えてみない?」リゼルが再び言い出した。

「オレは別にいいけど、後で家賃うんたらとか言うなよ?」とクギを刺した

「家賃??あ、それはないない。もともと空き民家だったのを家にしたから。」

とリゼルは首を左右にフルフル振った。


後で聞いたが、空き民家の一部を住居にしている人もいるらしい。

「ってことは、アプサラスも?!」そう訊いたオレに

「アプサラスって人がどんな人かは知らないけれど、おそらく・・・。」

とリゼルは頷いた。

この日から、オレはリゼルの家に居候することになった。

そして、今日もまた夜がやってくる・・・。
                         続く

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イリューム:「こんな感じでまだ続くけど、良かったら続きもヨロシクw」

リゼル:「逆毛クンさん、レスを下さりありがとうございますm(__)m

最終回まで続ける予定なので、お互いに頑張りましょう(>w<)b”」

イリューム:「リゼル?」

リゼル:「あぃ(。・◇・)ノ”CMに入りまーす(逃げる)」

イリューム:「煤i・□・;)CM?!」

↑こんなノリの2人もよろしくですm(__)m