第15話


サラセンダンジョン1・・・

休憩を入れながら、オレはバギ狩りに専念していた。

そして、バギを狩りまくって休憩していた時にWISが来た

誰だ?こんな時に。

意識を集中する・・・。アプサラスからだった。

「やほー。(・・ノシ」と来たので
「こん(・・ノ”」とWISを返すと

「今日、ミアス大活躍だったぞー。(>w<)V”」

とWISで言われて驚いた。

「ミアス、何かやったの?(・・?)」と訊くと

「やったも何も、オレと付き合ってた聖女の悪事をバラしてくれたw」

と返事が返ってきた。

「おぉー。で、アプサラスはミアスみたいな子と付き合う気はないの?」

とWISでさりげなく訊いてみた。

「…(゜゜*)それもアリかな。」微妙な返答だった。

「ともかく切るぞ。まだオレ50ヘル中なんだから^^;」

そういい残して、オレはWISを切った。


(ミアス、うまくいくといいけれどなぁ。)

ほんの少しだけミアスのコトを思い出した。が、

(しまった!早くヘル越えなくちゃ!!)

再び慌てた様子に戻るとオレは、バギ狩りに専念した。

「50ヘルなんか嫌いだぁ!!」

そんな叫び声がしたとかしなかったとか・・・。


ミルレス町広場・・・夜。

「アプー。」ミアスが呼ぶ。

「なんだい?ミアス。」と笑顔でアプサラスが訊いた。

「また一人になっちゃうね^^;」ミアスが苦笑して言った。

「あ、大丈夫。一人にはならないからw」アプサラスは笑って言った

「え?だってさっきの聖女の彼女とは・・・」

「うん、もう別れたよ。」ミアスの問いにアプサラスは、なおも答える

「じゃあ、何で?」

「ミアスがいるから。」とアプサラスは、きっぱりと答えた。

(あ・・・。)ミアスの顔が真っ赤になる。

「ありがとう・・・。」ミアスは照れながらそれだけ答えた。

2人の間には、いい雰囲気が流れていた。


しかし、次の瞬間・・・。

ミルレスゲートの効果で、2人の少し後方にイリュームが現れた。

「煤i・□・;)」と驚いて声が出ない。

というより出すに出せない雰囲気を察知したイリュームは

音もなく立ち去ろうとした。が、

(しまった。リゼルの家、どこだっけ?!)

記憶がなかった時に連れて来られたので、慌てた。

2人の様子を見る・・・幸いまだ気が付いてない!!

イリュームは『マリのお店』の裏にこっそりと入った。

そして、その影からリゼルにWISをした。

(「リゼル。君の家はどこ?!」)
(「宿屋地域です。どうかなさったんですか?」)

と訊かれて

(「泣きに行っていいかい?」)とイリュームは質問した。

(「なんかあったんですね^^;後で聞きますよ」)

とリゼルは追求しなかった。

(「了解。サラDで拾ったマナリクシャ持ってく」)

と一通りWISし終わって、オレは木にまぎれるように走った。

幸い、ザァ・・・ッと風が吹いたので、オレの姿はバレなかった。


宿屋地域、リゼルの家・・・

建物にたどりついた時、リゼルは優しく迎えてくれた。

「片思いが終わった。」

出されたお茶に手もつけず、イリュームはため息をついた。

「よっぽど好きだったんだね、その人のこと。」

リゼルがお茶を飲んでそう言った。

「うん。でも、彼女はオレじゃなくて別の人が好きだったのさ。

そして、今日とうとう一緒にいるトコ目撃したよ。

今さっきリゼルにWISする数分前にね。」

「あっちゃー、あの時かぁ^^;」

リゼルは苦笑した。オレもつられて苦笑顔。


「くやしいから、50ヘル抜けるまで恋愛とかしないことにした。」

イリュームは悔し紛れにお茶を一気飲みした。

お茶の暖かさで気分が少々落ち着いていく。

「イリュームさん、がんばらなくていいんだよ。

がんばることが大切な時もあるかもしれないけれど、そうでもない時は

がんばらなくていいんだよ。自分の速さで自分の思うとおりに

それでいいんじゃないかな?」

リゼルが軽く笑って言った。・・・なんとなく元気が出た。

「ありがと。あ、そうだ!バギみやげ忘れてた!」

荷物の中から5個ずつ・・・計20個のマナリクシャを出した。

この日は、リゼルと眠くなるまでしゃべった。

こんな日もたまにはいいかもしれない。