第15話


アプサラスに怒りつつ、オレは薬屋地域へと向かった。


ミルレス薬屋地域・・・

歩きながら、空いてる民家を探した。

この前とはちょっと違う入り口の空き民家を見つけ、入ってみた。

中は前の民家と同じ造りだったが、まぁ気にしない。

いつものように鍵をかける。

鍵をかけ、部屋の中を歩こうとした時。何かに足をとられた

「おわっ!」

その後、ドテッ!という音と一緒にコケた。

「いったたた。」と思わず打った顔のあたりをさする

今日は外に月が出てない為か、やけに暗い。

(足元要注意だな、こりゃ^^;)

周りのモノに足をとられないように気をつけながら歩いた。


やがて、ベッドらしき場所にたどりついた。

ホッと一安心してベッドにもぐりこむと、そのまま眠りだす。

(・・・あれ?眠れない^^;)

いつものように狩りをして体はクタクタなのに、なぜか目が覚める。

(何でだ?いつもならすぐに熟睡状態なのに^^;)

イリュームは、内心あせる。しかし、眠れない。


翌朝・・・。

結局一睡も出来なかった。

(何故だ・・・。)とは思ったが、いつものようにディグへと出かけた。


ディグバンカー・・・。

ゲートで建物内に飛んだ。

今日も結構人がいる。

(さて、そんじゃ行くかぁ。)

ソロ状態でイリュームはディグの外へと出て行った。


外に出た途端に吹き矢がおそってきた。

周りを見ると、モンスターが沸いている。

(ヤッバ!タイミング悪すぎ!!)

慌ててオレにタゲる吹き矢を倒して、再びディグの中へと避難した。

走るオレの背後に木の影から2発の吹き矢が飛んできた。

・・・なんとか逃げきった。


(なんか、しょっぱなから調子悪いなぁ^^;)

建物に駆け込んだイリュームは、腕組みをして考えていた。

削られたHPやMPも半分以上。

回復アイテムを使おうかとも思ったが、自然回復に頼ることにした。

しばらくジッとしていた。

(そういや、リゼルに会ってないなぁ。一応PT許可状態にしとくか。)

ふと、狩り仲間のことを思い出して許可状態に切り替える。

(しかし・・・人が多いな・・・。)


しばらく何も出来そうにないので、状態が全快するまで周囲の状況を見ていた。

ところが…だんだん眠くなってきた。

(そういや、今日は寝不足してたなー。…回復するまで寝とくか。)

イリュームは、人の通らなさそうな場所を選んで移動した。

そして、壁にもたれると眠り始めた…。


それから30分後・・・。

「イリュームさん、イリュームさん!!」

誰かの呼び声がして、オレは目を開けた。

「おー、リゼル。やっと来たか。」

「やっと来たかじゃないですよっ!!大丈夫ですか?」

リゼルが心配そうに見てる。意識がはっきりとしてきて起き上がる。


「ここはどこだ?」周りをキョロキョロと見回し質問した。

「ここは僕の家です。」とリゼルは答えた。

「ディグ行かなくて良かったのか?」

「一応行ってみました。しかし、モンスターが沸いてて狩れません。」

「オレなんか放っといて、他の前衛と組んで行けば良かったじゃんか。」

そしたら、かなり経験値も入っただろうに。と言うと


「他の人だと無茶する方が多いのですよ。僕、いっつも置いてきぼりで…。

相方になる人全てがそうとは言いませんが、モンスターを狩った後に

いきなり走り出してしまうので^^;」とリゼルが苦笑した。

「オレもさほど変わらんと思うが?(・・?」イリュームは分からない。

「そうでもないですよ。組んでる時にイリュームさん

いっつも立ち止まったりしては、待ってくれるじゃないですか^^」

リゼルにそう言われてやっとオレは気が付いた。


「イリュームさん、狩り行くときは寝不足ダメだよ。」

とリゼルに釘をさされてしまった。

「はい^^;」オレは苦笑するしかなかった。