『師匠と弟子の物語(2日目・夕方)』


メールの目の前で楽しそうに歌っているピンキオ。

最初は単に(いい歌だぁ〜。)と思って聞いていたハズなのに…。

それだけだったのに、いつの間にか私は眠っていた…らしい。


(何故、寝ちゃったんだろう(^^;))

メールは、苦笑の表情で考えていた。

(…あの時、陽気が心地よかったのとピンキオの歌がだんだん遠くなって

しまいには子守唄みたく聞こえて…そう、確かそう。(^^;)

と苦笑のまま、メールは頭の中で結論付けていた。

(でなければ今の状況はどう考えてもあるわけないのよ、うん。(^^;))

とまだ考えてるメール。


『今の状況』

実は、メールは寝こけている間に偶然、近くを通りかかったお師匠の家に

お邪魔していたりする。

(今度は、外で寝ちゃわないように気を付けなきゃ(ーー;))

と心の中で反省するメール。

「外で寝てたら風邪引くよ^^」とお師匠に言われて

「はい、すいません(^^;」とメールは、苦笑顔。


しかし、ふと疑問に思うことが一つあった。

「師匠。どうやってあの場で寝てるのが私だって、分かったんですか?」

眠りこけてて、顔が下に向いてたんですよ?とメールが質問した。

「んー。確かに君は髪の毛がストレートで長いから、

寝てるときに顔が下に向いちゃうと、髪の毛が顔の横に来ちゃうよね?

でも、顔は見えなくとも君の名前を見る方法は、あるからね^^」

ニコッと笑顔で笑うお師匠。

(顔を見なくても名前が分かる方法があるんだ。(・・))

またちょっと知らないことを知った。


(ホントは、ピンキオの側を通りかかった時に

女の子が一人で寝てるなんて珍しいから、その場で起こそうと思ってたけど…。

寝言で『お師匠』って言ってる声で、何となく分かったのは、内緒。)

笑顔で笑いながら、さっきまでのことを思い出していたTRACY。

その笑顔の意味を知ることもなく、メールは

「もうー!お師匠、笑いすぎです(^^;」と苦笑で言い返していた。