『師匠と弟子の物語(散策)』


レインボウさんと一緒に町へと移動…したはずなのに、

目の前の暗転に耐えられずに目を閉じた私が

次に目を開けた時には、レインボウさんの姿はもうなかった。


(えええ!レ…レインボウさん?どこぉぉ?!煤i・□・;))

と慌てるメール。

スクールを出たとは言え、まだまだ知らないこともあるのに…。

メールは、内心慌てた。

そして、キョロキョロ見回しているうちにココが王宮内の庭であることに

何となく…気が付いた。


アスガルドの体験者でいろいろな町へ出かけた人なら、

これだけの文章でもきっとここがどこだか、分かるだろう。

…そう。ここは、『王都』と呼ばれる町『ルアス』である。


メールは何も知らないせいか、おどおどしていた。

(どうやってここから出るの?)

困惑して周りをキョロキョロ見回す。

しかし、分からない。

その上、困惑してキョロキョロしている間にメールは気が付いた。

明らかにLv1の自分のLvを超越してそうな高Lvプレイヤー達が

にこやかに話したりしている。

まだLvの概念すらもハッキリとは知らないメール。

だが、今の自分とは違う何かがあることだけは、悟っているようだった。


(ともかくここから出たい!!(><;))

高Lvプレイヤーから離れたい・どこかに行ってしまいたい。

そんな気持ちでメールは、王宮庭園の前方のアーチを走って抜けた。

…とその時、足元にあった図形のような模様を踏んだ。

「カッ!」と魔力を発した図形に「えっ?!煤i・・;」と驚くメール。

次の瞬間、彼女の姿は、そこにはなかった。


ルアス王宮庭園の外…。

「あ…あれ?私、さっきの場所から出れた…の?(・・?」

と周りを見回して、呟くメール。

周りはさっきと違う風景だった。

(良かったー。これでこの町を見て回れる(^^))

と少しの間、笑顔になるとメールはまっすぐに…走りだした。


ルアス町広場…。

その手前にあった図形を踏んだ後、たどり着いた場所がここだった。

「わぁ…。(・。・」メールは驚いた。

広場では露店を開く者とそれを見る者・PTを募集する者達でにぎわっていた。

(すごーい。(^^))と思いながら露店を見る。

けど、今はまだ買えそうにない。

(まだ服も着てないもんね…。まずは服を買えるようにならないと。)

と思い、メールは…まっすぐ歩き出した。


ルアス城門前大路…。

とぼとぼ歩いているうちに大路を歩いていた。

(どうやってお金を貯めれば…。)と考えていると


(TRACY:「おーい!」)

と見知らぬ人からWISが来た。

(え?誰?!煤i・・;))

いきなりの知らない人からのWISに驚いて、メールの足が止まった。


(TRACY:「今、どこ?」)とWISで訊かれて

(メール:「え?」)と困惑したメールは、何かここの場所の特徴を探した。

そして、自分の左斜め前の位置にいるピンキオに気が付いて

(メール:「今、ピンキオ前よ。」)とWISで答えてしまった。

すると

(TRACY:「OK、あと10分したらそっちに行くよ。」)

と言うとWISを切った。

(メール:「え?ちょ…っ、」)

とメールが何か言いかけたが、WISに反応はない。

(今の人、だれなのよぉ〜!!(><;))


結局、あれが誰だったのか分からなかった。

更に今になって気が付いた…。


(しまった。ここから動けない!煤i・・;))

WISとは言え、『約束』みたいなものをしてしまったようなもんだ。

メールは、しぶしぶ待つことにした。