『師匠と弟子の物語(始まり)』


『ロオサーバ、最初の地』

あったかい…。何だろ?鼓動が聞こえる。

何かが生きているのかな?…一体誰が?

目を開けたら、見えるかな?

この鼓動が鳴っているのが何なのか…。


すうっ・・・と目を開けた先に居たのは、スクールの入学案内の女性だった。

「へ?」とあっけにとられた。

どう考えても、目の前の入学案内のお姉さんとは立ってる位置が離れすぎてて

鼓動の音が・・・なんてノリには程遠い。

かと言って、周りをキョロキョロ見回してみても、自分以外は誰も居ない。


(…あ。あの鼓動の音は、自分のかぁ。)

と気がついた後に落胆した。

(あーあ。ガッカリだ)と肩をすくめて、目の前の女性に入学を希望。

その途端に私の視界は、暗転した。


あ、自己紹介が遅れちゃった。

私の名前は、メール。

どこかの国の言語で言うと『手紙』の意味があるらしいとか。


私は、今日アスガルドに生まれたみたいね。

まだ何をするのかも分かってないし、この先どうなっちゃうのかも

まだ知らない。

けど…。

「どうせなら、カッコイイ人とお知り合いになりたいかな〜w」

とか思ってる今はまだ、平民の女の子です。


スクールに入った途端にメールは顔をしかめた。

(なんだってこう難しいコトばっかり覚えないといけないのぉ?)

最初に入っていった教室は、都市の名前だの神の名前だのとややこしい。

(漢字よめないのに。ああ、しかもか・・・『渇望』って何?

何て読むのか教えて!!(^^;))

『渇望のシャス』の文字で困惑しているメール。


やっとこ次の教室へと向かうメール。

今度のは、割と分かりやすそうだ。

「えー、」とかを文字の頭につけながらも、先生が教えてくれるコトの

約8割は、理解するコトが出来た。


そして、教室を出たメール…。

その外には、クロエ神官が立っていた。

「こ・・・っ、こんにちは。」

あまりの神々しいような空気に気おされするように

メールは半ば、ギクシャクした空気と共にぎこちなく挨拶した。


「あなたの職業を一緒に考えましょう(^^」

と柔和な笑顔で言うクロエ神官に緊張でドギマギしつつも

「は・・・はいっ(///」と答えているメール。

「そんなに緊張しなくても大丈夫ですわ。落ち着いて考えましょう(^^」

とクロエ神官に言われてもまだ緊張が抜けきれない、メール。

「では、一応説明を聞いてから…それからにしましょうか(^^」

と言うと、クロエ神官は一通り『職業説明』をしてくれた。


『職業説明』を見ている間にメールもいくらか気分が落ち着いてきていた。

そして、落ち着いてきた途端に一つの疑問が出てきた。

「クロエ神官。STRとかCON・DEX・INT・WISって何ですか?」

そう訊かれて、クロエ神官は

「どれもステータスと呼ばれる『自分の強化』に必要な『要素』です。

しかし、職業によって『強化する要素』は異なってきます。

STRは、力。文字通り攻撃する際の威力にも関わってきます。

けど、それだけではなくアイテムの持てる量の増量もこのSTRの仕組みです。


CONは、体質。HPとSPの増量に関わってきます。

Lvが上がるごとに続けて振ると『相乗効果』でHPやSPの数値が

Lvが上がるごとに上がるのですよ。」

ランダムですが…。とクロエ神官は、その後も他の要素の説明をしてくれた。

丁寧な説明であったので、すぐに覚えられた。


「クロエ神官。私、決めました。(・・」

とメールは、真剣な顔で職業を選択した。

「それで本当によろしいのですね?」と訊かれて何度か頷く。

「職業決定、おめでとう。これは私からのささやかなプレゼントです。

あとは隣にいるレインボウに話しかけてください」

「クロエ神官、ありがとう(^^ノ”」

と手を振ると、メールは元気に駆け出して行った。


メールの姿がなくなると、クロエ神官は十字を切り

「今日も全ての人々とあの少女に幸あれ」

と祈った。