『クロスティアの夢・僕の感想』


翌日の朝…。

僕は、日記のように使っている用紙を机の上に置いて

インクをつけた羽ペンで昨日見た夢のコトを書き始めた。

詳細に…鮮明な記憶と共に。

最後に感想を書こうと、再び羽ペンのペン先にインクをつけて

羽ペンを走らせた。


『僕は…きっと、マリエという存在に対して『恐怖の記憶』しか

感じていなかったのかもしれない。

ミルレスの森の中で彼女を見つけた時に…その時にいたナイトモスのエリアで


「私がキャラとしてこの世界に居る以上、私は元の世界には戻れない。

だから、この世界とのつながりを断ち切るためには…

私がこの世界で死ぬしかないの!!」

そう言って、マリエがナイトモスの群れに突っ込んで…

血まみれになって消えた時の記憶が僕の中で残っていたんだ。

『残酷な記憶』として。


そして、その記憶の中にあったマリエの中の死についての強い決意も

彼女のとった行動の真意も分からないままになっていた。

そう…知ろうとしなかったんだ。

ただ『残酷な光景』を目の当たりにして、無力だとしか思ってなかったんだ。


もしかしたら、僕は再びマリエに会いたいと思っていたのかもしれない。

どうすることもできなくて、どう判断すればいいのかすらも分からなくて

うやむやになってしまった僕の気持ち。

それがあの夢を見せてくれたのなら、ある意味『奇跡』だ。


今の僕は、何かがふっ切れたような気がした。

きっとあの夢を見たからだろう。

『マリエと会ったあの夢』を…。

                      終わり