『ラファ姉、失踪 時々 誘拐Y』


そして、それから2日が過ぎた日の夜。

ラファンは、空を見た。空は真っ暗で新月だった。


そして、真夜中。

ラファンは、WISで誰かと連絡を取り合うと行動を開始した。

テラスのある窓を開けて、音を立てずに閉めると

テラスに上り、そこからすぐ側の木の枝を掴んだ。

ゆっくり・・・ゆっくりと木に足をかけて少しずつ木を降りていく。


あともうちょっとで犬の視界に入りそうだ・・・というところで

ラファンは、持っていた食べ物の袋から、食べ物をバラ撒いた。

食べ物が落ちてきたことに驚きつつも、必死で食べる犬。

その間にラファンは木を降りて、走り出す。


そのまま直進した先には迷路のように刈り込まれた庭があり、

その木の中をズボズボ通り抜けていく。

そして、最後の木を通り抜けた直後にラファンの動きがピタリと止まった。


「あらら、チェックメイトね。」

背後から声がした途端にラファンは、ダガーを首元に当てられて動けない。

「それはどうかしら?(^^」

とダガーを首元に当てられたはずのラファンが笑う。

「何がおかしいの?(・・#」と怒った様子で訊く女盗賊。

「私、知ってますよ。あなたがギルマスのコトを愛していると…。(^^」

と言った途端にうろたえる女盗賊。


「ちっ・・・違う。私は、ギルマスに尊敬しているだけで…」

「でも、あなた自身は好きなのでしょう?なら、何故止めなかったのですか?

私を捕らえるという計画を…。(・・?」

「私は、所詮ただのギルド仲間でしかない。それ以上でもそれ以下でもない。」

「弱い。(・・」とラファンは、呟いた。

「なっ…あなたに何が分かると言うの?」と動揺している女盗賊に

「私は、好きな人が危険なコトしようとしてたら、止めるよ。

どんなコトをしようともね。それでその人がやめてくれたら良い訳だし。

あなたには、それだけの抑止力がナイ。」ときっぱりと言うラファン。

「仕方ないじゃない。まだ彼女でもないんだから。」と言い返されて


「それは主張が足らないからでしょ?言わないからでしょ?

言ったら変わるかもしれないのに、何故言わないの?

…話している暇は、ないわね。バイバイ(・・」

と言うと、ラファンは走り出した。

その先に居たのは、トフィではない知り合いの盗賊だった。

2人は、示し合わせたかのように走り出して、屋敷を脱出した。