トラブルプリンセス・氷の城へ行く・・・ 第二話


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「あのさ・・・・・・」

暗い声でレオがたずねる。

「もしかして、護衛って俺一人なのか?」

「まさか、そんなことあるわけないじゃない」

ソフィアは笑って言った。

レオはそれを聞いて少しほっとしたようだ

しかし、次のソフィアの一言でレオは地獄へ突き落とされることになる

「彼を連れて行くわよ」

レオは呆然とする

「彼って・・・・・・もしかしてあいつの事か?」

そのときレオの後ろで音楽が聞こえた

レオはとっさに振り向く・・・・・・が、誰もいない。

あたり一面闇の世界に覆われている。

って言うか何も見えないんだけれど!?

「姫様、どこへ行ったかと心配したんですよ!!」

あいつの声がする

彼の名はタイス。ソフィアの側近の一人で、職業は吟遊詩人だ。

レオに掛けられたサウンドフラッシュ(※1)が解けた。

「タイス!!お前いきなり人に―――」

視界が戻るや否や、レオはタイスに文句を言う。

が、それより先の言葉が出てこない

どうやらバインドボイス(※2)を掛けられたようだ

タイスはレオを無視してしゃべり続ける

「さぁ、姫様、城へ戻りましょう」

「いやよ」

ソフィアは即答した

「今からレオと氷の城へ行くんだから」

「あれと・・・・・・ですか?まさか二人でじゃないでしょうね?」

それを聞いて、タイスは驚いたようだ

レオは、あれとはなんだ!と言いた気な顔をしているが、声がまだでない

「二人じゃないわ、三人よ。」

タイスは二人じゃないというのを聞いて少し安心したようだ

「一人はそこのあれ、二人目は姫様。三人目は誰なんですか?」

ソフィアは少し不思議そうな顔をしてたずねる。

「あなた以外に誰がいるって言うの?」

「わ、私ですか!?」

「もう、どうでもいいが・・・・・・

タイス、戦闘中に状態異常を俺に掛けるのはやめてくれよ?何度死にそうになったか・・・・・・」

ようやく声が戻ったレオが言う。

しかし、タイスは知らん顔をした。

「それじゃあ出発するわよ」

こうしてレオは、ソフィアと氷の城へ向かう事となった。

膨大な不安と恐怖を抱きつつ・・・・・・


※1 サウンドフラッシュ:強烈な音の衝撃で感覚を奪い、対象の視力を封じる ※2 バインドボイス:音波で発声を狂わせて、対象の魔法詠唱を封じる