第七話〜新しい国・・・ノレス〜


ゲイルの前に立ちはだかる大きな体の敵。
大きなマントをしているので、職はわからない。

「下がれ。ここはおれに任せろ。」
ゲイルは兵士を下がらす。剣を抜いて構えた。

敵はマントを取って投げて現れた姿はまるで・・・

侍。

侍だ。間違いない。刀を鞘から抜き構えた。

「おもしろい・・・刀か・・・」
「三秒・・・もつかな・・・」

敵が消えた!ゲイルは一瞬戸惑ったが、すぐさま後ろに一歩下がった!

シュ 

間一髪かわした!はやすぎて見えない!
また気配が動いた!これでは何もできない!

シュ

また間一髪だ!しかし・・・行動が読まれている!
ゲイルは考えた・・・こいつを止める方法・・・そうか!

ゲイルはその場で止まった。気配で斬れ。

・・・

ゲイルが一見何もないところを斬る!すると!
剣と刀がぶつかった!

「よく・・・おれの速さについてこれるな。」
「こんなところで負けるか。」

「ゲイル!」
部屋に一人の騎士が入ってきた。ランスだ。

ランスは剣を抜き、敵に襲い掛かった。
剣は敵を斬った。しかし、かすり傷だ。

「ぐぅ・・・やるな・・・ルアス兵め・・・」

「さぁ降参しろ!これ以上の戦いは無意味だ!」
ゲイルが威勢よく言った。しかし敵は・・・

「時間は稼いだ・・・さらばだ!」
と言って、本を取り出すと読み始めた。

ゲイルは記憶の書だと気づいて斬ろうとしたが遅かった。
敵は消えた。このスオミを完全に支配したわけだが・・・どうも納得いかない。

「帰ろう・・・ゲイル。」

ルアス王国〜城下〜中央広場

「わが軍は完全勝利した!これで戦争も終わりだ!」

国民の歓声がわきおこる。戦争終結だ。
誰もが望んだ平和。未来への期待。

これからは争いのない世界に・・・我々人間がしていくだろう。

ルアス王国〜城下〜ゲイルの家

「ただいま。」
「おかえり。」

ゲイルが家に帰ると、妻が暖かい笑顔で迎えてくれた。
スオミ討伐の途中で子供も無事生まれた。

「ずいぶん長いこと留守にして・・・ごめんな。」
「謝らなくてもいいのに。」

おれはこの笑顔が好きだ。お金で買えないもの。

それは・・・命や・・・心。

戦争はそんなものまで奪う。正確には人が奪っているのだが。
だから戦争は嫌いだ。一人ひとりに人生がある。

そして家庭がある。それを壊す戦争は嫌いだ。
またこうして平和な時間がすぎる。おれは家族を愛している。

もう・・・戦争になんか行かない。

人を殺したくない。でも・・・家族が死ぬのはもっと嫌だ。
しかし・・・そう思うということは・・・やっぱり自分勝手だろうか。
殺したくない。でも殺されたくない。どちらかひとつなのか・・・。

人は・・・何故・・・争うのか・・・。

終わりを告げた戦争。しかし・・・まだ終わっていない。
スオミ王はまだ生きている。やつを倒さねば戦争は終わらない。

おれたち・・・ルアス国民は・・・長い長い平和なときを過ごした。

ルアス王国〜城〜王の間

「王様!大変です!これを見てください!」
一人の兵士が慌てた表情で入ってきた。

『北で新たな国を発見。名はノレス忍国。大きな砦がひとつです。』

「なんてことだ・・・王はスオミ王だと・・・?!馬鹿な!」
王様は一瞬悩んだ。そして命令を下した!

「部隊編成!攻められる前に攻めるんだ!」
「し・・・しかし・・・戦争終結宣言をさげるわけには・・・」

「かまわん!ノレスを落とすぞ!戦争ではなく和平交渉だ!実力行使のな!」

ルアス王国〜城下〜ゲイルの家

「すまない・・・命令だ。また行ってくる。」
「気をつけてね・・・死んだらダメよ。」

わかっている・・・わかっているけど・・・。
ゲイルは出発した。ランスと共に。

ノレス忍国〜砦〜王の部屋

「こちらの部隊はどういうのだ?」
スオミ王・・・いや、ノレス王が言った。

「『忍者』『武士』『侍』となっております。」
「ルアスに勝てる自信は?」

「十分です。特に我が国の侍は雑魚兵など・・・」
「結果を・・・楽しみにしておるぞ。」

〜次回へ続く〜