第八話〜最強の国ノレス忍国〜


〜ノレス忍国の城の近く〜

ルアスの兵士達はノレスの近くで招集していた。

「部隊に分かれて説明を聞け。作戦開始は全ての準備終了してからとする」
ゲイルが大勢の兵士の前で指揮を取る。

「なぁ」
とゲイルにランスが話しかけた。

「今回の作戦。そう簡単に終わりそうにないな」
ランスが不安そうに言った。ゲイルは、

「これが本当に最後だからな。スオミにいたようなやつが居たら・・・」

最後。両軍とも全戦力を投入するだろう。
もちろんルアスもミルレスやスオミの戦力も取り入れている。

「作戦司令官どの!作戦がまとまりました!作戦開始です!」
ゲイルに兵士が言った。ゲイルは気合を入れなおして言った。

「作戦開始だ!部隊は展開!与えられた任務をやり遂げろ!いくぞ!」
ゲイルが言い放つと兵士は歓声をあげて一気に走り出した。

作戦開始!

ゲイルとランスは単独行動する。敵の城に侵入するのだ。
兵士に敵を惹きつけて、その間に二人は裏から侵入する。

「行くぞ・・・ランス。最後の戦いだ」
「わかった。ゲイル・・・死ぬなよ。子供のためにも」

「あぁ」
とゲイルは言うと走り出した。城の裏まで。

ルアス兵士は無残にやられていく。敵の忍者に。新職業『忍者』。
忍者は速く、兵士が追いつかない。兵士が次々に暗殺されていく。

「これではキリがない!あれを使うぞ!」
第一部隊隊長が叫ぶと、兵士達は両手を前に出して目を閉じた。

「三・・・二・・・一・・・いけえええええええええ!」
隊長の合図と共に、剣を持った兵士なのに魔法炸裂。

ルアスはスオミの技術を研究、そして兵士に魔法を覚えさせた。

そう、魔法剣士の誕生である。新職業『魔法剣士』。
剣の力は若干落ちるものの、魔法を使えるという利点を持つ。

魔法は忍者を確実に捕らえて動きを止める。
動きが止まったら兵士が切りかかる。

これで戦況がルアスに傾いた。城前は完璧だ。
表からも部隊が進入していく。城は落ちたも同然。

〜ノレス忍国の城の中(表)〜

第一部隊、第二部隊が進入した。残りの部隊は表の完全占領に向けて戦っている。

少し大きな部屋に出た。前には二人の侍がいた。新職業『侍』。

「我が名は『正宗』」「我が名は『村雨』」
二人が名乗った。これも侍独特の流儀なのか。

「ふん。お前らなど・・・かかれ!」
部隊長が叫ぶと一気に部隊全員が敵に襲い掛かる。

が・・・

〜ノレス忍国の城の中(裏)〜

二人も大きな部屋に出た。そこには一人の侍が居た。

「我が名は『信長』。これ以上は行かせん」
信長・・・どこかで聞いたことのある名前だが・・・そんなことはどうでもいい。

「いや、行かせてもらう!おとなしく下がれ!」
ゲイルが叫んだ。しかし、

「ほぅ・・・やる気か。死んでも知らぬぞ!」
信長がゲイルに向かって走った。というよりも瞬間移動した。
速すぎて見えない。ゲイルの死角に潜り込んで攻撃しようとする。

「危ない!」
と、ランスが信長の抜いた刀を槍で防いだ。

「すまない!」
と、ゲイルが一歩下がる。

速い・・・速すぎる。見えない。

「私には絶対に勝てない。勝てるはずがない」

おれは何をやっている。こんなところでつまずいてていいのか?
ノレスを落とすために王を倒すのじゃなかったのか?

「まだまだ!戦いは始まったばかりだ!」
ゲイルは槍を構えて敵の動きを頭でパターン化してみる。
信長がまたゲイルを狙って刀を振る。

ゲイルははっと気づいた。こいつは・・・

ゲイルが槍をさっと振る。すると信長に当たり信長は吹き飛んだ。
わかったぞ。やつは振りかぶった後、斬りかかるのが遅い。

「ランス!パターン758だ!わかるか!?」
「パターン758・・・そうか!OK!」

〜ノレス忍国の城の中(表)〜

「楽しくないな。村雨」「そうだな。正宗」
部隊は全滅。しかも援護に来た第三、第四部隊までも。

二人で四つも部隊を。侍の力は計り知れない。
最強の職業。この城を落とすのは難しいだろう。

〜次回へ続く〜