第三話〜ミルレス国の壊滅〜 カレワラ・ミルレス道〜中間地点〜合流地点 ゲイルとランスは、部隊の合流地点に着いた。 「先行突撃隊ゲイルとランスです!」 ゲイルが、大隊長に言った。 「よし。それでは作戦の説明をする。」 作戦の内容はこうだ。 カレワラに侵入したミルレス王を、捕まえる又は始末するのが最終目的だ。 限られた小数の部隊で、迅速に行動する。 『先行部隊』敵の注意をそらして情報を待ち、ミルレス王を処分する部隊。 『探査部隊』王の潜んでいる場所を見つけ出して報告する部隊。 敵戦力は『ミルレス残存部隊』『カレワラ守護動物部隊』だ。 たいした戦力ではないはずなので、行動のしやすさを優先。 「ということで、三分後に出発する。以上!」 大隊長の話が終わった。非情に困難な戦いになるだろう。 「このまま、一筋縄では無理そうだな。」 ランスがつぶやいた。ゲイルは不思議に思った。 「なんでさ。」 「だってそうだろ。ミルレスの堕ち方がはやすぎる。」 「・・・。」 「もしかしたら、ミルレスの主力はカレワラに最初から・・・。」 ゲイルは黙り込む。ランスも不安がいっそうに強まった。 「よし!作戦開始だ!生きて帰ってこいよ!!」 カレワラ町〜周辺〜外壁 「なんだよ!もう!」 ランスが叫ぶ。外壁ができていて中に入れないのだ。 ゲイルも槍を突き刺してみるが、傷ひとつできない。 「飛び越そうにも・・・高いしな。」 「それだ!」 ある盗賊が言った言葉に、ゲイルが反応した。 ゲイルは壁の前に槍を刺して後進して、助走距離をつける。 「行くぞぉぉ!」 一気に走りだして、槍を踏み台に壁の上をつかんだ! 「ランス!槍を投げてくれ!」 「わ・・・わかった。」 みなが呆然とした。なんという脚力だ。 槍を受け取ったゲイルが、向こう側に飛んだ。 ・・・扉が開いた。 ゲイルの活躍によって扉が開かれた!これから本戦が始まる! カレワラ町〜中〜中央道 先行部隊は攻撃を始めて、探査部隊は姿を消して王を探している。 敵の戦力は思ったほか弱く、すぐに全滅できそうな数だ。 先行部隊が、敵を蹴散らして戦闘終了。 「探査部隊はまだこないのか?」 「まだですね。何をやってるんでしょう。」 ゲイルは聞くとすぐに返答がきた。 周りを見渡しても何もない。家すらもない。 「きました!しかし一人です!」 「一人・・・?」 少し疑問があったが気にしなかった。そいつを見るまでは。 「ひどくやられたな・・・何にやられたのだ?」 ゲイルが探査部隊の盗賊に聞く。 「魔術師だ・・・スオミのやつらだ・・・王はすでに死んでいた・・・。」 驚きの報告だ。スオミの部隊。やっかいなことになった。 「王が死んでいるなら帰るぞ!ミルレスの方が心配だ!」 ミルレス町〜城〜王の間 「ここは安全だよ。手放しはせんさ。」 ルアス王が言った。 「それよりも、君の昇進が決まった。当然、君もな。」 ゲイルとランスのことをいっている。 「ありがとうございます。」 ゲイルは王さまに頭を下げた。 正直、あまりうれしくはない。ゲイルにとっては、帰れるほうがうれしかった。 「ゲイルは騎士のランクSに、ランスは騎士のランクCとする。」 横にいた大臣が言った。騎士のランクS。 次、ランクがあがったら、聖騎士となって大隊を導くことになる。 「それよりも王様!ルアスを放っておいていいんですか!!?」 「そうだな・・・そろそろ戻らないとな。」 王様の緊張のなさは、腹が立つのを通り越してあきれる。 「王様ーー!」 一人の盗賊が走ってきた。 「王様!ルアス王国が!わが国が!スオミに占領されました!」 そこにいた・・・誰もが驚いた。 〜次回へ続く〜
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