第一話〜ルアス王国の進撃〜 ルアス王国とミルレス国とスオミ大国の戦争は、膠着状態に陥っていた。 開戦から二年。進展も無く時間がすぎていく・・・。 元々、戦争を起こしたのはルアス王国。そして、優勢なのもルアス王国。 しかし、城と町からできているルアス王国は、食料不足の問題に直面していた。 ルアス王国〜城〜会議室 「王様!!このままでは食料が・・・士気が下がってしまいます!!!」 騎士団長が、王様に向かって言い放った。 「しかし・・・今のこの状況では・・・ミルレスは落とせないぞ・・・」 王様は、困ったように反論するが・・・。 「いえ!命令があれば、私達『騎士団』が落としてみせましょう!!!」 騎士団長の目は、絶対勝てるという自信に溢れた目だった。 「そうですぞ。このままですと、降参という事態になりかねませんぞ。」 横から大臣が言った。王様は決心した。 「よし!騎士団は出撃準備!戦いに必要な分だけの食料調達!!!!!」 騎士団長がは、敬礼をして会議室を出た。 「大臣!さっそく住民にも報告!兵士希望者をできるだけ集めて召集!」 大臣も会議室を出て行った。 「ふぅ・・・ミルレスとの戦いも、終わる時期になったのかな・・・・」 王様がつぶやいた・・・。そしてその後、会議室を出て行った。 ミルレス国〜城〜王の間 「王様!!大変です!!ルアス国の『陰密行動部隊』からの報告です!!!!!」 王様は驚いた。いままで動きの無かったルアスが、動いたからである。 「読み上げます!『ルアス王国はミルレスに向かって出陣決定』とのことです!」 王様や、その周りの兵士達も全員驚いた。ルアスが動いた・・・。 「もたもたしてられないぞ・・・部隊編成!警戒レベルAだ!はやくしろ!!!」 ミルレスが、一気に慌しくなった。 スオミ大国〜城〜王の間 「なるほど。ルアスとミルレスが、またやらかすのか・・・。」 王様が、報告書を読んでつぶやいた。 「関係ないな・・・どうせ、ここには攻めてこれないのだから。」 王様は、報告書を放り投げた。 ルアス王国〜町〜中央道 騎士や兵士の、出陣が始まった・・・。 「とうとう・・・このときが・・・来たのだな・・・。」 「国王様殿・・・この戦いは・・・きっと勝てますよ。」 王様に大臣が言った。 「この戦いに勝てば・・・ミルレスは停戦を申し上げてくるだろう・・・。」 「はい・・・そのことを祈って・・・兵士の出陣を祝おうではないですか。」 出陣はまるで、パレードのように盛大だった・・・。 「明るすぎだな・・・死にに行くというのに・・・。」 王様は、悲しそうに言った。 戦争の始まりはルアス王国。しかし、王様はもう、終わりたかったのだ。 ルアス王国〜町〜ある民家 「じゃ、行ってくるよ・・・。」 「必ず、帰ってきてね・・・。」 ある夫婦がいる・・・結婚して、まだ一年も経っていない新婚だ。 その夫が、騎士として今回の作戦に参加する。 明るい空気は無く・・・黙って家を出た・・・お腹の子供を置いて・・・。 その夫の名は『ゲイル』・・・騎士というだけあって、そうとう強い。 パレードには参加しなかった。いや、できなかった。 いまいち明るくなれない・・・途中から列に入っていった。 「お前・・・やけに暗いぞ・・・大丈夫か・・・?」 ゲイルに話しかけたのは、友達の『ランス』である。 「なんとなく・・・気が乗らなくてな・・・・・。」 「妻の・・・お腹の・・・子供のことか・・・・?」 「あぁ、もし親がいなくなったらと思うと・・・。」 「お前が、死ななかったらいいんだよ。うんうん。」 「死にに行くようなものさ。戦争だからな・・・。」 出陣者の列がルアス南門から出て行く・・・。 これが・・・悲劇の始まりだ。 ミルレス国・城・城前 「これで、編成部隊が完成しました!」 部隊別に、ずらっと並んでいる。 「『攻撃隊』に『エネミー隊』に『治療隊』に・・・。」 「よくやった。下がれ。」 「はっ!失礼しました!」 王様が、高いところで言い始めた。 「ルアス王国に負けるな!この城を、落とすわけにはいかん!!」 歓声が沸き起こる・・・。 今、ルアス王国とミルレス国との、戦いが始まろうとしている!! どちらが勝つのか!!そして、何が起こるのか!! 〜次回を待て〜
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