外伝Ⅱ　「正義」

外伝Ⅱ　「正義」


真の正義ってなんなんだ・・・？


１０年前　ジギー、フェイ　１８歳


ルアス王城　ルアス騎士団入団式

「・・・であって、騎士団の・・・」
騎士団の「偉い人」の話しが続く
新団員は椅子に座って話を聞いている

たいがいは緊張して身動き取れないのだが・・・

(・・・下らんな)
長身痩せ型の青年は明らかに聞き流している
薄茶色の髪で、聖職者らしい服装である

名はジギー・グレイロッド
(偉い奴の話を聞くために入団したんじゃねぇんだぞ？)
イライラと時が過ぎるのを待っていた

その時

「ぐぅ～ぐぅ～」
突如いびきが聞こえてきた
(何なんだいったい・・・)

自分の真横で青髪の青年が居眠りしてるらしい
長身で、整った顔立ちである
名はフェイ・ランバートと言った

「！？そこ！居眠りするな！」
「へぁ！？は、はぁ～」

「お前はスクールでも居眠りの常習犯だったらしいな！」
「いやぁ、それほどでは・・・」
(誉めてないっての)

「貴様のようなたるんだ奴らがだな・・・」
イライライライラ

(俺の隣で説教すんなよ　どっか連れてってみっちりシバけよ)
イライライライラ

ぷちっ

(もう我慢ならん)
すくっと立ち上がる

「偉い奴」は気付かない
背後から(股間に)強烈な蹴りを・・・

がすぅッ！！

「説教ならよそでしろ阿呆。」
「偉い奴」は泡を吹きながら気絶した・・・


数時間後

「何であんな事をしたんだ！？」
違う「偉い奴」に追及を受けるジギー
そして即答

「むかついたから。」

唖然・・・

「・・・もういい・・・行け。」
「失礼した。」
そう言って退室するジギー

部屋の外では先ほどの青年が待ち伏せていた

「すげぇな！あんなこと普通できないぞ！？」
青髪の青年はやや興奮状態で話す

「別に下衆を蹴り飛ばしただけだ。」
「ふぅ～ん。」

「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
話題が切れた

しばらくの沈黙・・・

「そう言えば名前何ていうんだ？」
先に切り出したのは青髪の青年だった

「自分から名乗るものだろう？」
「あ、そうだな。」

一呼吸置いて

「俺はフェイ・ランバートって言うんだ　お前は？」
「ジギー・グレイロッド。」

「よろしくな、ジギー。」
「・・・ああ　よろしく。」


その後、ミルレスの森にネクロケスタが出て、狩人を襲うと言う話が入った
ルアス騎士団は兵士の派遣を決めた

その会議の場で・・・

「では、問題は誰を派遣するかですな。」
「意見があります。」
入団式の時にジギーに倒された「偉い奴」が意見を述べる

「申してみよ。」
「はい、今　新団員の中に、上司に刃向う輩がおるのですが、
　そいつらは自分の力を過信してるらしいのです。」

「名は？」
「ジギー・グレイロッドとフェイ・ランバートです。」

「その二人が打ち負かされればいい薬になると？」
「その通りです。」

「では、打ち勝ったらどうする？」
「それは有り得ませんよ。」

「万が一の話をしている。」
「そしたら、私はこの地位を捨てましょう。」

「いいのだな？」
「有り得ない事ですから。」

こうしてジギーとフェイの派遣が決まった

「ジギー！やったな！名をあげるチャンスだ！」

「うむ。ようやく俺たちを信頼したらしいなあの阿呆どもも。」

「阿呆ってかｗ」

「少しは阿呆どもも頭が良くなったらしいな。」

「ぶｗ」

そして当日を迎える


ミルレスの森

「このあたりで張っていればいいんだよな？」
「ああ。」

ジギーは最近ある事に悩んでいた
(真の正義って何なんだ？)

今日もそんな事を考えていた


「おい、ジギー！」
「ジギー！」

「ん？」

「ん？じゃないよ　ネクロケスタだ！」
「本当か？」
「あそこだ・・・」

遠くに確かに見える

不気味な杖を持った背の高い姿が・・・

「どうする？」
「不意打ちだ。」
「解った。」

フェイは詠唱を始める

そして・・・
「ライトニングボルト！」

ネクロケスタに命中する
ふらりとよろけ、あたりを見回す
攻撃してきた者を確認して、接近してくる

「ライトニングボルト！」
続けざまに詠唱するフェイ
ジギーはハンマーを手に持っていた

距離からしてあと一発魔法を撃てば近距離戦になる
「ラントニングボルト！」
すかさずダガーを構えるフェイ

ネクロケスタの杖がフェイを襲う
間一髪でかわすフェイ
一瞬の隙を突いて殴るジギー

接戦は続く

そして


最後はフェイが深く刺したダガーによって決着がついた
二人の勝利だった

「・・・なあ。」

「ん？」
ジギーがフェイに戦闘後に問い掛ける

「真の正義ってなんだ？」
「ん～・・・」

少し考えた後に

「誰かを必死に守ろうとする事が正義なんじゃないか？」
「・・・お前に答えを教わるとはな・・・」

「不服か？」
「いや、ありがとう。」

このあと、あの「偉い奴」は約束通り身分はがされて平民になったらしい


真の正義・・・
それは人を必死になって守ろうとする事


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外伝Ⅱはジギーとフェイの友情(？)物語でした

これも回想シーンとしてだそうかなぁと思ってたのですが
話を一旦止めてしまうのでカットになってしまいました

次回作の構成も９割終わったので、そろそろ続編を出しますｗ

期待して(しないで)お待ち下さいm(__)m