Ancient memory 第七部 W


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ルケシオンからラスアのウィザードゲートでミルレスへ飛び、5人と3人は向き合って立った。

「元気でな」
「うん。頑張る」

ノーディは吹っ切れた顔でテイルと握手を交わす。
テイルは次にユウ、マモと握手をした。
(そういえば、握手なんてあんまりしたことなかったな・・・)
3人に触れた手のひらを見つめ、しっかりと握り締めた。

「じゃ、セルさん。テイルのこと頼んだぜ」
「大丈夫。もう二度とあんなことにはさせないわ」

握手の手を伸ばすが、セルシアが高い身長をいいことにノーディの頭を撫でる。
その手をはたいたノーディは笑顔だった。


「ユウちゃん、ちょっとおいで」

小さい声でユウを呼ぶラスア、気づいたユウは少し駆け足で駆け寄る。

「あの子はしっかりしてるけどあんまり頼りにすると疲れちゃうッスよ。支えてあげるといいスよん」
「あなたこそラーラのことしっかり守ってあげてね」
「はっはは!ノディ君もいい彼女持ったもんスね」

足を翻し仲間の元へ戻ろうとするラスアの背に、小さく弱々しい拳が叩き込まれた。


「さて、そろそろ出発するか」
「あ、テイル!」

ノーディがテイルに投げ渡したのは、いつかの謎の本。
何コレ?と言わんばかりのテイルに手短に説明する。

「拾ったんだけど、多分聖職者の本だと思うんだ」
「うーん・・・まだ読めないみたい」

本をパラパラと捲ったあと舌を少し出す。
大事に脇に抱え、ありがとうと笑顔で言った。

「・・・ラス!」

マモが突然珍しく大声を張り上げてラスアを呼んだ。
呼ばれたのが自分なラスアは、人差し指を顎に当て不思議そうな顔をするしかなかった。

「何スかー?」
「あ・・・いや・・・すまん。なんでもない」

俯きながら不自然に言葉を紡ぐマモに一同は首を傾げるしかなかった。

(いいんだ、アイツはアイツで歩けば・・・)

「んー・・・まぁ、俺らは出発するッスよ」
「じゃあな。死ぬなよっ!」

ウィザードゲートを開き、足を踏み入れる直前に縁起でもないことをノーディはいう。
だけれど別に嫌な言葉でもなかった。
彼等は振り向かず、手を翻して消えていった。



「ま、テイルがあっちに着いて行きたいっつーんじゃなぁ」
「それでよかったんじゃない?無理に止めるよりかはね」

家へと続く道を歩き出す。
マモは、まだ俯いていた。


Hunting result
『新友 親友』


Ancient memory 第七部
完