エピローグ:「旅」


あれからちょうど一年後。

俺はまたスオミに来ていた。

現在は、サキと会う以前の、
気ままな一人旅に戻り、
相変わらず、宛てのない旅を続けている。

変わった事といえば、
ギルドの追手が和らいだ事くらいか。

ギルドの秘密を漏らす事を恐れた故の
口封じだったのだろうが、
俺にそんな気が全くない事を
ようやく悟ったのだろう。

むしろ俺にとってはどうでもいい事だったが。



俺は、サキへ宛てた手紙を一通書いて、
手にしていた小さな花と一緒に
ニミュ湖へと続く小川へと流した。

誰にも読まれる事のない手紙を・・・
サキの眠る場所へ・・・


そうして俺は、再び旅を始めた。

・・・サキの生まれた故郷、
ミルレス近くの村を見てみるのもいいか。

どうせ行く所はないんだ。
なぁ、いいだろ?サキ。









  最後にあなたに会えて良かった。
  
  毎日が楽しかったよ。

  だからもう泣かないで、ジュウト。

  ここからずっと見ているから。

  ・・・ありがとう。






 Fin.