プロローグ:「親友」


初投稿させて頂きます。
暇で暇でどうしようもない方だけお読み下されば幸いです。(ぇ

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ルアス近くに位置する村、ノルア。

規模はさほど大きくもなく、そこに住む人々も、
いたって平和に暮らしていた。

若者は、ルアスにこぞって出稼ぎに行き、
村に残る者は子供や年寄りだけであったが、
それでも時々立ち寄る旅の修道士や魔術師、
ルアスからの商人などで賑わってはいた。

そんないたって平凡な村に生まれ育った少年、「アシュトー」は、
周りの幼馴染達と毎日ルアスの王宮騎士団ごっこをして
遊んでいたのだった。

このノルアだけでなく、
近辺の村に住む少年達の将来の夢のほとんどは、
「ルアス王宮騎士団」になる事である。

名誉ある騎士団に入れるのは
ごくわずかどいえども、
少年の誰もが夢を見ずにはいられなかったのだ。

アシュトーにとって、いつもと変わらぬある日、
村にやってきた自分と同年齢くらいの少年「ルゥ」に
始めて会ったのもこの頃だった。

ルゥは魔術師の見習いであり、
その師である「ラヴィン」という
青年に連れられてこの村にやってきた。

旅の途中で村に寄る者は少なくない。
このラヴィンとルゥも珍しいものではなかった。

だが、アシュトーは自分と同じくらいの歳の少年が、
「師」というものについて魔法を学んでいるという事に
多少なりのカルチャーショックを受け、
興味が湧いたのかもしれない。

あくる日、アシュトーはルゥに話しかけた。

いつまで村にいるんだ?友達にならないか?と。


ルゥの話しによれば、
この村へは師匠の用事で立ち寄り、
しばらく滞在する事になるという。

こうしてアシュトーとルゥはその日から
友情という絆で結ばれた。


ある時はルゥを騎士団ごっこに誘い、
ある時は魔法というものを間近で見せてもらい、
またある時は村を出、森に探索にでかけたり。

そうして時間は流れていった。

いつしかお互い親友と呼べる間柄になっていた。