My Way 再会 ディグバンカーの中は、暖かな光に満ちていた 信じられないほどの人の量に、あたしはびっくりしていた 「もう、大丈夫よ?下ろして?」 あたしを抱きかかえたままの淕へ言う 「いや・・・・・・無理しないほうがいい」 優しく微笑む淕 いや、物凄く恥ずかしいんですけど・・・・・・ 「無理させたのは君でしょう?」 ちゃかすような口調で言う聖職者さん 「・・・・・・反省してます」 「あなたも、今は甘えときなさい あたしたちの仲間のところまで付いて着てくれる? 声が聞こえてあわてて出てきちゃったから、皆心配してると思うの」 笑って言い、前を歩く 淕、ユエ、レイレンが続く あたしは抱きかかえられたまま、周囲の目線を集める やっぱり下ろしてください・・・・・・ 「えみかっ!!!何やってんだお前はっ!」 赤い髪をした盗賊が近づいてくる 「声が聞こえたからついつい・・・・・・ね?」 えみかと呼ばれた聖職者さんは、反省の色もないような声で答える 「いや・・・・・・他人より俺たちの事を・・・・・・なぁ」 頭を抱えて言う盗賊さん いいコンビのようだ 「あ〜〜〜〜〜!!!師匠!!!」 ユエが叫ぶ 「ユエ!?」 赤毛の盗賊が近づいてくる この人が、ユエの師匠? 「カフス、知り合い?」 えみかが不思議そうな顔をして言う 「昔話さなかったか?ルアスで面倒見てたガキンチョだよ」 「誰がガキンチョだぁぁっぁぁっ!!」 ユエがカフスさんへつかみかかる 「ははは、まだまだだな」 流石な身のこなしで、避ける 「まぁ、皆に紹介するから、こっち来い」 そのまま、奥へ進む 拗ねたユエを、レイレンが必死に機嫌をとっていた 「声?聞こえたっけ?」 カフスさん、えみかさんのパーティメンバーはあたしたちとほぼ変わらず 盗賊、魔術師、聖職者、修道士だった 「かすかに、聞こえたような気がする・・・・・・かな」 レイレンの声が聞こえてたのは、カフスさんとえみかさんだけだったようで 他の二人、魔術師のアルフィミックさんと、修道士の里美さんには聞こえてなかったようだ 「お前らホントに耳悪ィなぁ・・・・・・もう歳だな」 からかうような口調で言うカフスさん 「地獄耳に言われたくはない・・・・・・」 うつむき、ボソッと呟くアルフィミックさん 「あ?もう一回言ってみろアル!!!」 怒鳴るカフスさん 「いつものことだから、気にしないでね?」 えみかさんが顔を引きつらせて言う 彼女も困ってるようだ 「大丈夫です、師匠が誰彼構わず喧嘩を吹っかけていたのは知ってるし」 ユエも、復讐のように呟く 「こ、こらユエ・・・・・・」 あわてた様子で、ユエを止めるレイレン 「あぁ!?酒と喧嘩は男のたしなみだろ!?」 「馬鹿じゃないの?」 今度は、えみかさんが呟く その目は、冷たかった 「・・・・・・女には分からないさ」 少しの間の後に遠くを見、呟くカフスさん 「・・・・・・俺にもわからん」 先ほどと同じトーンで呟くアルさん 「あ!?それでも男か!!この根暗魔術師め!!!!」 アルさんに怒鳴るカフスさん 「まー、いいじゃない?根暗と暴力魔が話したって仕方ないし?」 笑って言う里美さん 「そーねぇ」 冷ややかな目でカフスさんを見るえみかさん 「何だと!!!」 里美さんにつかみかかるカフスさん 「・・・・・・暴力反対」 呟くアルさん あたしたち4人は、何も言えずに立っていた 「なぁ、ユエ・・・・・・あれが師匠?」 「うん、そーだよ?」 「・・・・・・そっか」 「テンション高いよな・・・・・・。えみかさん疲れてないのか?」 淕も、不思議そうに言う 「だねぇ、みゆちゃん回復した後であの元気だもんね〜・・・・・・」 しみじみ呟くユエ 「タフだな・・・・・・」 レイレンも、しみじみ呟いた ---------------------------------------------------------------------- 初の師弟関係です〜。
![]()
![]()