My Way 出会い


あ、何か鳥の声が聞こえるなぁ・・・・・・

無事にスクールを卒業し、就職したあたしはノホホンとそんなことを考えてた

あたしが選んだのは聖職者、昔聖職者の人に一命を取り留めてもらったから

一種のアコガレでこの職業を選んだ

「さて、行きますか」

誰に言うわけでもなく、呟く

そしてあたしは狩場へ続く道を“一人”で進んだ


そもそも非力な聖職者が一人って時点で危ないワケで・・・・・・

思っていたよりも、現実は厳しかった


「うぁぁぁぁぁぁぁぁっ」

何かよくわからない気持ち悪い緑色の生物に追われ、逃げ回るあたし

もちろん、戦うのはコレが始めて

スクールで習ったことは習ったんだけど、実戦は大違い

「だ、誰かぁぁっ」

情けない悲鳴を上げるあたし

・・・・・・ほんっと情けない


間近へ迫ってくる緑色の生物(キモぃ

あたしはどんどん追い詰められていった

“町へ逃げれば良い”と思った人

あたしは方向音痴なんですよ

・・・・・・自慢にならないけどさ



逃げ回り、ついにあたしは追い詰められる


・・・これが最後かぁ・・・・・・

硬く目を閉じてあたしは思う

太く短いあたしの人生、さよなら〜

とか馬鹿なこと考えてる間に


 銀の煌き

 軽快な風を切る音


・・・・・・あら?

恐る恐る目を開く・・・・・・


「大丈夫?」

少し、低めの芯のある声

前髪が顔にかかって顔はよく見えないが・・・・・・

戦士らしい、鋭い目をした男の人と・・・・・・


「プロブごときで大げさだな」

アカラサマに人を見下した言葉遣い

むっムカ・・・・・・

助けてくれた戦士さんの斜め後ろに居た男へ詰め寄るあたし

多分修道士だろうか・・・・・・

愛嬌のある顔で、特別美形ってワケじゃないが、良い顔をしてる

しかし・・・・・・

「体力と腕力しかないアンタと比べないでくれる?あたしは非力な聖職者なのよ!!」

真正面から睨み付けて言うあたし

ボーゼンとする修道士

苦笑する戦士

睨み付けるあたし


流れる沈黙


「ははははっ」

ソレを破ったのは、修道士だった

「その言葉遣い、ホントに聖職者かよ?」

何がおかしいか知らないが、笑い続けている

「な、何がおかしいのよ!」

憤慨して言うあたし

すると・・・・・・

「いや、淕はほっといて・・・・・・」

苦笑しながら言う戦士さん

「まだ名乗ってなかったな。俺はDRAGON ONE。

ドラでもワンでも好きに呼んでくれ。見ての通り、戦士だ。」

そう言って、笑う

笑顔さわやか〜

「で、君は?」

「あ、あたし?」

びっくりして言うあたし

「お前以外で誰が居るんだよ」

冷たい突っ込みをくれる淕とか言う修道士

「アンタから名乗りなさいよ」

売り言葉に買い言葉とはこういうことなのかな・・・・・・?

「淕、修道士、ワンとはスクール来のダチ、以上」

味もそっけもない自己紹介だな・・・・・・

「で、そっちは?」

不機嫌そうな顔で言う淕

「あたしは魅悠。口は悪いけど、聖職者。

実戦系の授業はあんまり受けてないから、戦うのは本当に苦手なの。

今さっき狩場に来たから、道とか全然分からないの。」

淡々と言うあたし

あたしも可愛げないな・・・・・・

「俺と淕は2、3日前から町と狩場を往復しながら狩ってるんだ。

よかったら、魅悠も俺たちと一緒に狩らないか?」

好青年な雰囲気で誘ってくれるワン

「足手まといになるぜ?」

心底いやそうな顔して淕は言う

しかしワンは

「いや、今のうちに聖職者を見つけておくべきだろう。

せっかく1人で居るところだし」

譲らないご様子

どうしようかな・・・・・・

淕とは・・・・・・うまくやれないかもしれないけど

ワンとは・・・・・・うまくやれそうだな


「聖はこれからの狩りで必要だろ?

一緒にレベル上げていけば信頼も芽生えるし、ちゃんと回復もしてもらえるはずさ」

と、何故か淕を説得しているワン


「あの・・・あたしの意思は?」

恐る恐る聞いてみる

・・・・・・別に恐くともなんともないんだけど

「ごめんごめん」

照れ笑いを浮かべながら言うワン

「来ればいいだろ?お前は戦わなくて良いからさ」

まだちょっと納得いかない顔の淕が言う

おや・・・・・・?

「聖は必要だしな」

ぼそっと呟く

ちょ、ちょっと可愛いかもしれない・・・・・・


「ま、これからよろしく頼むよ」

そう言って、手を差し伸べるワン

意外に強引だなっと思って苦笑するあたし

「別に、断る理由も無いから。良いよ」

そういって微笑むあたし

そのままワンの手を握る

「ま、足手まといにならない限り、護ってやるよ」

そういうと、ワンの手を払いのけてあたしの手を握る

意外とガキだな・・・・・・と思い、また笑ってしまう



これからの旅が、楽しくなりそうだ

太く短くなりませんように、あたしの人生


続く。

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初投稿です。

まだまだ未熟ですが、宜しくお願いします。