『神々のその後〜勝手な企画と恨み〜』


マイソシア大陸 午前10時。

ここは、どこかの民家の中…。

一人の男が1枚の用紙を見ながら考えている。

彼の愛用している羽ペンは、インクのビンに浸かったまま

その日の目を見ることがあまりない。

男の格好は、一見すると聖職者だった。

Lv61服の格好の聖職者は、時折 頭をかかえたり。

かと思えば…。


「ああ、法則見つかんない!!(><。。」と困惑する始末だ。

彼が悩んでいるのは、彼の名前がクレッチーだからである。

『危険回避の法則』で言葉が出ていたのを覚えているだろうか?

あれが彼の出した『法則』だった。


「…書くかな、とりあえず(つ_・。」

さっきまでの落ち込んでる様子から立ち直るとクレッチーは椅子に座り、

机の上の用紙をジッと眺めるとインクに浸かりっぱなしだった羽ペンを取った。

そして、ゆっくりと羽ペンを用紙の上で動かすと

そこから新たな文字が生まれた。

文字の列は、4行にわたった。それは…


『この世は偶然と必然が同居している。

しかし、必然は偶然を塗り替えていくほどに多い。

だからこそ偶然が起きた時に人は、驚くのである。

めったに起きない偶然に…』

というものだった。


(よし、終わったー(>w<))と何かの満足感を得た聖職者は

数日間の寝不足を補う為に眠ろうとした。

ところが…。


「クレッチー!元気ぃ?!(>w<ノ”」と陽気にやって来た存在によって邪魔された。

「ああ、ユウか。ごめん、睡眠不足で今は君とはしゃぐだけの元気ないから(^^;」

とクレッチーは苦笑して、ベッドの方へと歩き出す。

「えぇ?!遊んでよぉー。(・・`。」

ユウという名の聖女はムスッとして、クレッチーの手をつかんで言った。

「ごめんって。その代わり、起きたら狩り手伝うから。(^^;」と言うと

「はぁーいっwでも、起きたら即ここまで来るから(^^」とユウはにっこり笑った。

(当分寝てた方が良さそうだ(^^;)) 何となく、クレッチーはそう思った。


同じ頃、太陽の世界。

グレゴリの世話役の女性は、宮殿を抜け出すと

どこかへと向かっていた。

向かった先は…とある大富豪の家。


大富豪の部屋の一室…。

「本当にそのような企画があるのか?」と質問した大富豪の男に

「はい。ですから、もし宜しければご参加していただきたいのです」

と世話役の女性は、うやうやしい様子で言った。

「ふむ…。まぁ、新しい王には国民の期待もかかっている。

それに浮いた話もない。娘達には一応、話だけでもしておこう。」

「ありがとうございますm(__)m」と世話役の女性は礼をしつつ

(これで上手く行けば、大富豪とのコネができる。)と心の中でほくそえんでいた。


少しばかりゴタゴタしそうな状況と無縁な存在は、未だに自室で眠っていた。

月の力を使い果たした影響がよほど大きかったのか

エリアは3日経っても起きてくる様子がなかった。

そして、今もまだ眠っていた。 何も知らずに・・・。


一方でゴタゴタの張本人のグレゴリは、のんびりしていた。

「では、その機会を作りましょう」らしきことを言った世話役の女性の言葉に反して

実際には何も起こってないことに安心していたのかもしれない。

(王になってまだ1年も経ってないのに結婚相手を探せとか言われてもなぁ(−−;))

何でいきなり、こういうノリになっていくんだろうか?

何となく嫌な予感を感じつつ、グレゴリは部屋の窓枠に頬杖をついて、外を見た。


ほぼ同じ頃、先代の王でグレゴリの父親でもあるグリフィゴールもこれに気がついた。

(何だこの企画は?…グレゴリがこんな案を出すとは考えられない。

エリアはまだ倒れて意識がないので、エリアが考えたとは思えないが…。

しかし、早急すぎる。何か裏がありそうだ。)

グリフィゴールは、むむ。と考えていた。


宮殿内の3人がそれぞれに日々を過ごしている間も噂は広がり、

ついには世話役の女性の計画通りに実行の日がやってきた。


ある日の夕暮れ時。

「グレゴリ様。正装の上、私と共に参りましょう。(^^」

と世話役の女性がグレゴリの部屋にやって来た。

「えぇ?!煤i・・;」と驚くグレゴリに構うことなく

「それっ!」と魔法でグレゴリに正装の格好をさせると

世話役の女性はグレゴリの手をつかんで、会場まで連れ出した。


会場となった部屋には、それぞれに着飾った女性が50人くらいいた。

「わぁ・・・(・・。」と思わず少し驚くグレゴリ。

「どなたもみんな、綺麗な方たちばかりですわ。王、今宵は楽しく遊んで下さいまし。

そして、どなたか気になるお方がいたら、ご指名を。(^^」

と言いながらも世話役の女性の口の端がわずかに上がっていたことを

この時のグレゴリは、気がついていなかった。


しかし、この企画が世話役にとって予想外の出来事を招いた…。


「くやしいー!!(>□<」と怒るのは、太陽の世界の呪術師の女性。

「私だって、若いのに!グレゴリ王とは同じ年なのに!誰でも参加してOKなのにっ!

なぁーんで、私が参加できないのよぉーーーーう!!!(つ◇<。。。」

くやしいあまりに泣き出す呪術師。

だ・が。


「いいもん。グレゴリ王の人生、狂わしてやる!(・・#」と怒り出すと

部屋にあった大きな鏡に呪文を唱えた。

鏡に映し出されたのは、宮殿の映像。

「誰か使えるヤツはいないかしら〜?w」何気に宮殿内を鏡に次々と映してみる。

…と、ある部屋の中で誰かが寝ていることに気がついた呪術師。

「ん?アレは…。煤i・・」と寝ている人物の顔をよーく見ると

「まぁ、エリア様!!煤i・・;」と呪術師は、驚いた。

鏡に映るエリアは、まだ眠っていた。


「あらん?w」と呪術師の顔が策略を思いついてニッコリと笑顔になると。

「さーて、幻術でも使おうかしらぁ〜w」とウキウキし始めた。

果たしてどうなることやら?


その頃、マイソシア大陸のクレッチーの自宅でも

「んふふふふw」と不敵に笑うユウが1人

クレッチーが起きるのを待っていた。


…まだ続きそうです(^^;)

もうしばらく長い目で見逃して下さいm(__;m (作者より)