第3話『再会』


マイソシア大陸、アスガルドの最初の地…。

「よし、決めた!」ついに男は、職業を決定した。

そして、再び神官の前へと立つ。

「本当にそれでよろしいのですか?」

そう訊かれて、男は縦に首を振って頷く。

「では、レインボウに町へ案内してもらって下さい。」

アイテムを神官から手渡されて、男は、レインボウに町へと案内された。


ところ変わってこちらは、ミルレス森の中。

男が悩んでいる間にティアイエルは、Lv11まで成長していた。

(Lv12まであと5%…。)

ティアイエルは、ピンキオのクエスト狩りを今もやっていた。

嬉しいことにこのクエスト、かなりおいしかった。

(大体、モンスター倒して経験値もらえてさ。

更に、ピンキオからまた経験値がもらえるなんて、お得だわw)

ノリノリでティアイエルは、狩りをしていた。


ちょうど同じ頃。ミルレス町広場…。

「へぇ、いいトコじゃん。」

一人の男が、町にやってきた。

「さて、Lv上げついでに金も稼ぐか。」

男は、森の中へと歩き出した。


ミルレス森の中(ミルレス〜ルアス1エリア)

「さて、そろそろ戻らないと」

ノルマを達成して、ティアイエルは、ミルレス町へと走り出した。


ミルレス分岐点

「へぇ…。」

森の中を見回してほけーっとする男。

「結構広い森じゃんか。」

そう言って歩き出した時だった。

「たたたたたたたたたたた・・・・」

何かが走ってくる音がした。

しかし、男は気が付かない。

走ってる張本人も慌てていて、そのまま直進で走っている。


そして・・・・

「ドン!!」と2人は、ぶつかった。

「いっ・・・てー!」と腰のあたりをさする男。

「ったたた・・・。」とおでこのあたりを抑える女。

次の瞬間

「全く!どこ見て歩いてん(のよ!)だ!!」

ほぼ同時に相手に向かって叫んでいた。

「ま、どうでもいいわ。さよなら」

スッと立ち上がってティアイエルは、その場を走り去ろうとした。


ところが・・・。

「あー!お前、最初のエリアで会った女だな!!」

そう言われて、ティアイエルの足がピタッととまった。

(アイツか・・・(・・#))

再びティアイエルの記憶が最初の頃に戻った。

くるりと男の方に振り向いたティアイエル。

「ふーん、職業決めたのね。おめでとう」

何の感情も入らないであろう棒読み口調。

「私。そろそろ用事あるから、またね。」

再びくるりと向きを変えて、ティアイエルはミルレス町へと戻った。


(何だよ、あの女!口悪いし、性格も悪そうだな。)

ヘッと気分悪そうに男は、モスを狩り始めた。


最初の出会いも再会したときもお互いの印象が最低な2人。

果たして、彼らは今後どうなるのやら?