第8話 『皓・その5』


次の日、皓の家。

今日もまた、狩りに行こうとした皓。

ところが荷物確認をしていて、気が付いた。

ミルレスゲートがナイ。

(面倒だが、薬屋に行くか。)

残りの必要なアイテムをカバンに詰め込み、外へと出かけた。


ミルレス町広場・・・

ミルレスの町は、雑貨屋地域を抜け

銀行家の左側を通り抜けていくと、薬屋まで直進で行ける道だった。

皓もそのルートで道を走っていた。


薬屋地域に入って、すぐさま薬屋へと走る。

駆け込んだ薬屋で補充がてらミルレスゲートを7つ買った。

これでまた少しは、買わなくて済む。

そう思っていたら…。


「こーう、みっけ♪」と楽しげな声がした。

(うっ、来たぞ諸悪の根源。)と思って振り返った皓の目には

予想通りに『またーり聖』が立っていた。


「はろは〜♪皓っ!ここで会ったのも何かの縁だ。狩り連れてけ。」

陽気なノリで…しかし、ワガママも入り混じる口調で言う『またーり聖』。

「ヤダ。お前と行くと、長丁場で持つけどオレが気力で疲れる。」

きっぱりと皓は、拒否するような一言で反対した。


…が、

「あっそ。いいもん、別のヤツと組むから。」

いつもなら絶対に

「ヤダーーー!!皓と組んだ方が経験値ウマイし、効率イイ!(・∀・)」

と言って聞かない『またーり聖』が、今回はえらくさっぱりとしてる。

(一体、何があったんだ?)とは思ったものの、訊くのも面倒だったので

(まぁ、いっか。)と割り切った。


薬屋を出て、歩き出す。

(今日はどこに行こうかな?)

狩場を決めてなかったので、歩きながら考える。

…とその時。

「うわーん!皓、仲間にWISしたら全滅!みんないねー!!(;;)」

といきなり『またーり聖』が泣きついてきた。

「お前なぁ。さっきまでの反応は、何だったんだ(^^;」

「あれ、ナシ!」と『またーり聖』は、否定した。


そんな矢先。

「あ。」と、不意に聞こえた声に振り向いた皓。

そこにはエルがいた。

「あ…おはよう。」どことなくぎこちなく挨拶する皓に

「おはよう…ございます。」とエルもぎこちない。

「皓!ルケD入り口前に集合な!!」

と言うと『またーり聖』は、ゲートで飛んだ。


広場の中…

取り残された皓とエルの2人は、ぎこちない空気の中にいた。