『風の行方…交錯』


予感は何となくやってきた。

陽気な声と共に…。

「Lv65〜75までの前衛募集!!」の声と共に。

(なんだぁ、ずいぶんとデカイ声だな。)

と思いながらも皓は声のした方に振り返った。

そして、気が付いた。知り合いが2人いたことに…。

(これはいいやw)と少しだけ笑うと、

募集の声のすぐ近くまでインビジで姿を消して走り出す皓。


「Lv65〜75までの前衛募集!」と声を張り上げていたのは、一人の戦士。

その側で「よぉ、久しぶりだな。デュア」と声がした。

「誰だ?!」とデュアと呼ばれた戦士が驚く。

「ここだ、ここ。」

とインビジブルの切れた皓が、後ろからデュアの肩をポンと叩いた。

「ああ!…えーと、名前なんだっけ?(^^;」

懐かしいんだけれど、名前が…と苦笑の顔で言うデュアに

「こらぁ!懐かしいとか言っといて名前忘れんなぁ!!(^^;」

と言ったあとに

「オレ、皓(こう)だってば!(^^;」と言い返す皓。

「ああ、皓(こう)か!!(^^」と嬉しそうな顔になる戦士に

「今度忘れたら、『デュアっち』と呼んでいいか?(・・?」

と切り返す皓。

「忘れないように善処するよ(^^;」と言うデュア。


「あ、そだ。デュア、オレをPTに入れてくれ。ソロ飽きた(^^;」

と言う皓に

「へぇー、今までソロ多かった君が珍しいね。OK(^^」

とデュアは、皓をPTメンバーに追加した。

「あり(^^まぁ、気まぐれってやつだ+(・・」ケロリと答える皓。


皓がPTに入ったのには、理由があった。

デュアのメンバーの中にエルがいたからだった。


「さて、あと一人募集せにゃな。」

と言うとデュアは、再び募集の宣伝を始めた。

皓は、エルを横目で見たが、すぐにそっぽを向いてWIS機能を作動。

(皓:「エル。狩り終わったら、ルケに飛んでくれないか?」)

とだけWISで言うと

(エル:「はい。」)

とだけ返事が返ってきた。


「さて。そんじゃ前衛3人になったし、行くか!(^^」

と言うデュアの側には、『黙示録』という名の騎士がいた。

(いつの間に見つけたんだか(^^;))と思ったが、いえなかった。

こうしてエルを含めて3人の聖・3人の前衛で構成された6人PTが

今、スオミDへと駆け出して行った!