『過去の出会い、今の友人5』


「それに関しては、心配ない。だが…君とはいづれ、話をすることに

なりそうだ。」

真剣な顔で言うグリフィゴール。

「はい。(・・」

何となく、ここから何かが変わっていくように思えた。


2人が去った後にルーニアが言った。

「あの2人がどうやら王族だったみたいね。(・・。」

「うん。(・・」とルーニアの言葉に頷くエリア。

「いつかは、エリアも…。」とルーニアが呟いた。

「?(・・?」とエリアは、首をかしげた。

「ううん、なんでもないの(^^;」と言うルーニアが何だか少し遠くなった。

…そんな気がしたのは、気のせいだろうか?


それから10年経って、エリアが15になった時。

エリアの家に太陽の世界の使者が来た。

使者と共に太陽の世界へとエリアは出かけて行った。


太陽の世界。

瞬間移動で王宮内に着くと、使者と共に歩き出すエリア。

カツーン…カツーン…とわずかに響く長い廊下。

そしてやってきた玉座の部屋。

「待っていたぞ。」と真剣な声で言うグリフィゴールに

「光栄です。」とうやうやしく挨拶するエリア。


…とそこへ

「エリアー!><」と叫び声がして、グレゴリが走ってきた。

走ってきたグレゴリを紙一重でかわし、

「王。私に話とは何でございましょうか?」と質問するエリア。

「エリア。君にグレゴリのお目付け役としての仕事を任せたいのだ。」

と真剣に言うグリフィゴール。

「はぁ。しかし、私にそんな役回りがつとまるのでしょうか?(・・?」

とエリアが訊いた。


「大丈夫だ。現に・・・(・・」

とグリフィゴールが人差し指をエリアに向けた。

「息子も懐いているようだから、問題はないであろう。」

グリフィゴールの言葉の通りにエリアの背中にはグレゴリが引っ付いている。

「…そのようですね(−−;」と頷くエリア。


しかし、見た目とは恐ろしいもので15になっても、エリアの外見は

5歳の頃と全く変わっていない。グレゴリも同様に変わっていない分、

そこが人間とはちょっと勝手が違うのかもしれない。


「エリアー、やっと会えたのに冷たい(;;」

とグレゴリは、エリアにひっつきながら泣いている。

「王と話をしているのですから、当然です(・・」ときっぱり言うエリアに

「お目付け役?そんなのいらない。エリアがずっとこっちにいてくれれば

いいもん(・・。」

とワガママを言い出すグレゴリに腹が立ったグリフィゴールは


「そういう風にしても良いが、お前がエリアにヘタに干渉されると

私としても先のことを考えねばなるまい。」

と冷静に…だが、怒りも込めてそう言った。


後で知ったことだが、太陽の世界の王族は厳格・誠実さを重んじているので

今のグレゴリはそれに反している存在と言うコトになる。

なので、気楽にへろろーんとした空気のヤツでは話にならない。

「ともかく頑張ります(・・」とエリアはそう告げた。