『おチビちゃん騒動』


最近、ミルレス町の人が若干減ったような気がする。

そんなウワサが流れていた。

そして、そのウワサはクロスティア以外の3人兄弟の耳にも入った。


「クー兄。最近新種の『人さらい』が出てるんだってさ。」

平和な町のはずなのにここも怖くなったね。と言うのは、イリューム。

「ああ、知ってるよ。だから極力、夜の外出は控えようとかって

この世界の管理者のお知らせ書きが掲示板に貼ってあるんだよね。」

と頷いているのは、クーリエ。

「この世の中も物騒になりましたわね(−−且~」

と言いながらお茶を飲むのは、ラファン。


…とそんな折だった。

「コンコン」とかすかにドアをノックする音がした。

「すぅ…(−−」とベットで寝ているクロスティア以外の3人が

ドアの方に視線を向けたが

「何となく、私が行った方がよさそうね(^^」

とラファンがドアの方へと走った。


「はーい、ちょっと待ってね〜w」と陽気に言うとドアをゆっくり開けた。

ドアの向こう側に人の姿は、見当たらない。

「あ・・・あら?(^^;」と慌てて左右を見回すラファン。


…とその時。

「ラファンー。こっちだよぉ。」と下の方から声がした。

「ほえ?(・・?」とラファンが視線を下に向けると

そこには61の魔の光服を『だぼだぼな感じで着ている魔の男の子』が1人

立っていた。

「ラファン・・・(;;」

と泣きながら自分を見上げている幼い男の子は、『気づいて』とでも

言ってるようにラファンを見ていた。


最初は、目の前の男の子と目線の高さを合わせるためにしゃがんだラファン。

しかし、気が付いたのかニコッと笑って。

「入って(^^そして、どうしてそうなっちゃったのか、話して」

と幼い男の子を抱き上げてドアを閉めるとみんなの近くに座った。


「ラファ姉。その子供…ラファ姉の隠し子?(・・?」

何となく訊いたイリュームに

ラファンにくっついてる子供が睨む。

「まぁまぁ、怒っちゃダメですわ。事情を知らないのですから(^^」

もちろん私も分からないのですが…。とラファンは、苦笑の顔で言った。

「しかし、その子。61服とはね…。元の姿に戻ったら…。」

と言ったところでクーリエがピンと来て、子供の正体に気が付いた。

「なぁ、このおチビ、ダレなんだよ?(・・?」

と未だに気が付いてないイリュームは、訳分からんって顔で

ラファンの膝の上に座っている幼い子供を指差した。

はたして、この子供は誰なのだろうか?