第17話 過去そして共通点 天性の才能をもつアジェトロとフサム、そして強いがまだ未熟なエイアグ。 そのエイアグがどうして強くなったかと言うとね、ある事件がきっかけだった。 「ある事件?」 皆が口を揃えて聞いた。 ああ、あれは酷かった。 ある時ね、エイアグは恋をしたんだよ、それが何と両想いだったんだ。 その時、エイアグは恋に夢中で、剣術をすっぽかしている事が多かった。 あと少しでカプリコの戦術をマスターできる所でね。 そして事件が起きた、王宮の騎士やら魔術師やらが攻め込んできてね、 アジェトロとフサムがなんとか守っていてね、当然の如くエイアグも行った。 その時エイアグの好きだったカプリコは、エイアグの目の前で殺されたんだ。 しかもそのカプリコに渡したヒスイも取られたんだ。 エイアグはその殺した男を殺しに行った、だが負けてしまった。 大事な人の仇も取れなかった、その時私がエイアグを殺そうとした男を殺した。 ようやく人間達が帰った後、その日は自分の弱さに腹が立った。 そしてエイアグは決めたのさ、 「強くなる」とね・・・ そしてエイアグはカプリコの戦術を覚えて三騎士は砦を出た。 冒険者たちに戦いを挑み、憎しみをぶつけていた。 ある日エイアグは好きだったカプリコの事を思い出していた。 そして彼女の言った言葉が浮び上がった。 私はね人を傷つけたくないの、憎しみなんかは要らない。 だから、だからね貴方は優しいままの貴方でいてほしいの。 その言葉を思い出したエイアグは、 彼女の言ったままに誰も殺めないと決意し、エイアグ達はこの砦に戻った。 戻ってからは純粋に強い者に戦いを挑んでいた そうして今あんた達に出会ったんだよ。 ロドカプリコが話し終わると僕はエイアグの事を聞いた。 するとロドカプリコは、 この砦の最深部に、モスエリートがいる場所にいると聞いた。 すぐさま行こうとした自分に、ロドカプリコが僕に鉄の板を渡した。 「そこへ行くための通行証だ」 僕はロドカプリコに礼を言うと駆けていった 門番に通行証を見せ、エイアグを見つけた なんだ貴方か、昨日は良き試合だった。 いやあんたの剣もなかなかの物だったぜ、それに名前はシファーズだ、よろしくな。 そう言うとエイアグは深々と礼をして質問した。 ところでシファーズ殿何か用でもありましたかな ああ、モスエリートと一戦交えたいと思ったのと、君の過去の事だ。 そしてロドカプリコの聞いた話で自分と共通点があったからな。 「共通点?」 ああ、大事な人を守れなかった事、守るべきものがある事だ。 でもその大事な人は生きているんだがな。 その時エイアグが気配を感じた。 「シファーズ殿来ますぞ・・・!」 丁度その時僕も黄金色に輝く物体を目にしていた。 「これがモスエリートか・・・」 エイアグと僕は慎重にその黄金色の物体に近づいていった。
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